2024年3月31日 カンブルラン指揮第/13回音楽大学フェスティバル・オーケストラ  

ミューザ川崎シンフォニーホール

●マーラー…交響曲第10番より《アダ-ジョ》 

●ラヴェル…「ダフニスとクロエ」

音楽大学選抜オーケストラ

首都圏9音楽大学選抜オーケストラ&コーラス

 

 

 

●マーラー…交響曲第10番より《アダ-ジョ》1910年作曲開始

1911年マーラ-が亡くなり未完で第1楽章アダ-ジョのみフルスコア、打楽器の演奏はなく管弦のみ。

交響曲9番第4楽章の続きのような曲想で悲痛な不協和音の全管弦楽の最強奏があり息絶えたかのように静かに曲は終える。

 

2/23インバル/都響の名演を聴いた後ではクライマックスの全管弦楽の最強奏の音量が不足しマーラ-の不安感の表現に物足りなさを感じた。

しかし音程は取れていて合奏の乱れもなくアマチュアとしてはレベルが高い。

 

●ラヴェル…「ダフニスとクロエ」 1912年初演

昨年のウィンナ・ワルツ「天体の音楽」では上手くワルツのリズム感がとれていなかったが今年の音大のオケのメンバ-の若さとラヴェルの曲は合っていた。

 

最後の打楽器のアンサンブルは都内有名オケと比較してもリズム感は鋭く最後の迫力は凄みがあった。

打楽器以外では首席フル-トの音が美しく、ホルン奏者は音程が安定、男女2名のコンサ-トマスタ-の技術水準は高い。

オケの響きの豊かさは都内の有名オケより不足しているが楽器によるところが大きいのだろう。

 

しかしリズム感はシャ-プで音程はとれていてアマチュアでも聴き苦しさはない。

合唱の声の響きの豊かさは新国立劇場合唱団より不足で痩せていた。

 

指揮者カンブルランは仏アミアン生まれで仏作曲家ラヴェルの曲とは相性が抜群で読響桂冠指揮者。

日本人指揮者では得られない曲のノリの良さとリズムのグル-ブ感。

1993年から1997年までフランクフルト歌劇場の音楽総監督をしていたキャリアは今回の演奏の出来の良さを裏付けていた。

 

席は2CA3列46番、2階右寄り。オケの各楽器の音は明瞭に聴こえる。残響音は少なめだがその響きは美しい。

 

観客の入りは8割前後。