2024年3月30日(土) 日本フィルハーモニー交響楽団第395回横浜定期演奏会 横浜みなとみらいホール

指揮:小林研一郎  

●モーツァルト…ヴァイオリン協奏曲第5番《トルコ風》 神尾真由子vn

●サン=サーンス…交響曲第3番《オルガン付》       石丸由佳org 

アンコ-ル 神尾真由子

パガニ-ニ 24のカプリ-スより第5番 Vn 神尾真由子 ソロ

 

アンコ-ル 日本フィル

ダニ-ボ-イ

サン=サーンス:交響曲第3番 フィナ-レをリピ-ト

 

 

●モーツァルト…ヴァイオリン協奏曲第5番《トルコ風》 神尾真由子vn

父親がヴァイオリン教本を書く位のヴァイオリニストで子供の時にヴァイオリンを弾いていたモーツァルトの優雅でチャ-ミングな《トルコ風》 は一度聴いたら忘れられない名曲。

神尾真由子は1986年生まれ、2007年第13回チャイコフスキ-コンク-ルで1990年の諏訪内晶子以来の1位で話題となった。

神尾真由子の演奏は日本人演奏家に多いメロディ-を充分に歌わせる演奏で少し演歌風に感じてしまう。

 

モーツァルトとしては表現が過剰に思えたが技術的には余裕しゃくしゃくで上手さを感じさせる。

ヴァイオリンの音色はきらびやかでとても美しい。

1731年製作のストラディヴァリウス「Rubinoff」使用。

 

●サン=サーンス…交響曲第3番《オルガン付》   石丸由佳org 

サン=サーンスの曲の中では傑作、クライマックスでたたみかける手法はベルリ-オ-ズ「幻想交響曲」を思い起こす。

「動物の謝肉祭」の「水族館」のような泳ぐ魚たちを思わせる夢想的なピアノの使い方は独創的で美しい。

オルガンを交響曲に派手に使ったのはこのサン=サーンスとマーラ-の「復活」で両曲とも演奏会のリピ-トが多い。

「炎のマエストロ」小林研一郎の指揮は炎の名前とは違い腕を振り回すことはしない。

2/23のインバル、3/27のマレク・ヤノフスキ同様無理のない指揮。

オケとパイプオルガンのクライマックスの大音量の迫力はすさまじい。

 

日本フィルのアンサンブルは非常に良くヴァイオリン・セクションの響きは透明で濁りがなく、1月ソヒエフ指揮N響のラヴェルの演奏に匹敵する。

 

席は2階RB2列7番で舞台横の2階バルコニ-右。

明瞭な音響でアンサンブルと個々の演奏の良し悪しがわかる。

この場所は残響が少なめだが美しい。

 

観客は8割から9割くらいの入り。