2024年3月29日午後2時 新国立劇場 初台
新国立劇場
ワ-グナ-《トリスタンとイゾルデ》 (全3幕) 最終日
主な出演者
トリスタン(テノール):ゾルターン・ニャリ
マルケ王(バス):ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
イゾルデ(ソプラノ):リエネ・キンチャ
クルヴェナール(バリトン):エギルス・シリンス
メロート(バリトン):秋谷直之
ブランゲーネ(メゾ・ソプラノ):藤村実穂子
牧童(テノール): 青地英幸
舵取り(バリトン): 駒田敏章
若い水夫の声(テノール):村上公太
指揮:大野和士
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
3/27のヤノフスキ/N響の舞台形式の上演と違い声楽はオケに埋もれることはなく聴こえた。
作曲家の意図からもオケはピットに入っていた方が歌は聴きやすい。
声楽の演奏レベルは3/27と互角だがイゾルデはリエネ・キンチャの方がビルギッテ・クリステンセンより声の状態が良かった。You tubeで証拠ビデオの3/20の公演を聴き直してもトリスタン役とイゾルデ役の二人は迫力が今一つ。
良かったのはマルケ王役のエギルス・シリンスの歌唱と藤村実穂子の安定した声ときめ細かい演技。
3/27のマレク・ヤノフスキ指揮N響はテンポが遅めで雄大な演奏だったが今回の大野和士指揮都響は劇的で表現力が深くディテ-ルが緻密。
演出で上半身裸の水兵の舞踊のようなシ-ンでは痩せた日本人だと貧相で見て気持ちが良くなかった。
オペラはオペラハウスで楽しむもの、ヤノフスキ/N響が名演だとしても演技付きの歌手とオケの演奏のバランスが良い新国立劇場の公演を好む。
1987年圧倒的な歌唱のイゾルデ役のジェシ-・ノ-マン/カラヤン指揮ウィ-ン・フィルの名演奏の記憶が定着しているのが厄介。どうしても演奏の基準にしてしまうがやはり日本公演とは比較対象ではない水準の高い歴史的名演。
ライヴ録音 1987 ワーグナー 愛の死 「トリスタンとイゾルデ」 ノーマン,WPO&カラヤン (youtube.com)
座席は3階1列39番B席で最前列右。いつもの4階C席より歌手の姿と音が大きく聴こえた。音響ははっきり聴こえる3階の方が良い。
観客は目視できた範囲では9割以上の入り。