2024年3月7日18:30  鎌倉芸術館小ホール 鎌倉市大船

渡辺貞夫 AFTER YEARS

渡辺貞夫(アルトサックス)

小野塚晃(ピアノ),三嶋大輝(ベース),竹村一徹(ドラムス)

今年2月に91歳になった渡辺貞夫の演奏会。

前半は1950年代のジャズ、後半はボサノバなどのブラジル音楽と渡辺貞夫自身の曲。

渡辺貞夫のジャズ演奏は全盛期に比べメリハリは無くなり「グルーヴ」「リズム感」「タイム感」というジャズに使われる演奏法はあまり感じ取れない。

 

渡辺貞夫のマイク越しの声が小さく聞き取れなかったが前半最後の影響を受けたと語ったサックス奏者の曲は確かに渡辺貞夫の演奏スタイルに近かった。

 

後半はバーデン・パウエル、アントニオ・カルロス・ジョビンのボサノバなどブラジル音楽と渡辺貞夫自身の曲。

曲の紹介の時に渡辺貞夫自身がジャズより良い曲があったと語る。

 

枯淡の境地の楽天的なサックスの歌い方はボサノヴァに向いていてクラシック音楽のように折り目正しい演奏。

映画「黒いオルフェ」1959年のルイス・ボンファ作曲「カーニバルの朝」は特に印象が残った。

https://www.youtube.com/watch?v=tm04Iqf_-vg

 

竹村一徹(ドラムス)34歳はリズム感が良くシンバルを叩いて濁った汚い音を出さない美感の持ち主。

 

56歳の小野塚晃(ピアノ)、今年33歳の三嶋大輝(ベース)も渡辺貞夫の演奏以上に目立つことはなくしっかりサポ-ト。

 

ピアノは初めて聴くスタインウエイの小型のグランドピアノで低音域は目立たないが澄んだ音色の中音と高音域。

 

座席は22列3番で全席指定だが申し込みが遅れ最後列左。

PA使用なので音量は充分、残響音は短く音の明瞭度は良い。

 

観客は中高年が多いが女性も半分くらい。

600名ほど収容の鎌倉芸術館小ホールは発売当日に完売。