2024年2月17日午後2時 サントリ-ホ-ル 赤坂

東京都交響楽団第994回定期演奏会Bシリ-ズ

【マエストロ・インバル88歳記念】

指揮/エリアフ・インバル

コンサートマスター:山本 友重

・ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70

・バーンスタイン:交響曲第3番《カディッシュ》

 

ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70

プロコフィエフの古典交響曲(1917年作)を思わせるような第1楽章で始まり第4楽章のトロンボ-ンとチュ-バはワーグナ-楽劇「神々の黄昏」の「ジークフリ-トの葬送行進曲」の響き。

第5楽章はショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲第5番 第4楽章を茶化したような曲想。

体制批判が露骨で有名な自身の交響曲第5番をパロディで書き換え自己否定しているかのような曲。

1945年第2次大戦後8月に完成、ソ連当局者にはスターリンを揶揄するものと受け止められた。

 

エリアフ・インバルの指揮は都響から少し遅めのテンポで重厚な響きをもたらしていた。

 

インバル/都響リハ-サル風景

https://www.youtube.com/watch?v=SYNOGDKR94Q

 

・バーンスタイン:交響曲第3番《カディッシュ》1963年作曲

語り/ジェイ・レディモア

ソプラノ/冨平安希子

合唱/新国立劇場合唱団

児童合唱/東京少年少女合唱隊

 

カディッシュはユダヤ教礼拝の祈祷と賛歌。最後に朗読でイスラエルの民の平和への願いが込められる。

エリアフ・インバル(1936-)はイスラエル出身でユダヤ系アメリカ人のレナード・バーンスタイン(1918-1990)の推薦によりパリ音楽院で学んだ。

交響曲第3番《カディッシュ》は朗読が時間的には長くそれに伴奏が付けられている。

無調、12音技法、ボンゴやマラカスもありバーンスタインのミュ-ジカルのパ-カッションに似たアレンジなど様々な作曲技法がある割には聴きやすい音楽になっている。

朗読には神に対する不信や怒りが含まれイスラエルの初演で一部の宗派の人たちから激しい抗議があったという。

 

最後は華々しいクライマックスで終える演奏後は大喝采だった。

 

都響の木管楽器の演奏者たちが笑顔で握手しているのが印象的だった。多分かなりの難曲なのだろう。

 

座席は2階 RB 7列 5番A席、2階右の舞台に近いバルコニ-席。

声楽のソリストが舞台横のRAブロックと違い高音は減衰せず自然。音量も大きく個別の楽器音も聞き取れる。

 

座席は7~8割くらいの入りだがいつもより40歳以下の若い男性が目につく。