2024年2月3日午後6時 NHKホール 渋谷区神南

NHK交響楽団第2004回定期公演A

指揮:井上道義

・ヨハン・シュトラウスⅡ世 ポルカ「クラップフェンの森で」

・ショスタ-コ-ヴィッチ 舞台管弦楽のための組曲第1番

・ショスタ-コ-ヴィッチ 交響曲第13番「バビ・ヤ-ル」

 

 

 

前半

・ヨハン・シュトラウスⅡ世

ポルカ「クラップフェンの森で」 

かっこうの鳴き声の笛と鳥笛が使用され、ほのぼのとした曲。

N響のリズム感が重くならないのはダンサ-を目指したことのある

井上道義指揮によるところが大きいのだろう。

 

・ショスタ-コ-ヴィッチ(1906-1975)

舞台管弦楽のための組曲第1番

「行進曲」「リリック・ワルツ」「小さなポルカ」「ワルツ第2番」

「行進曲」はスーザの行進曲風、「ワルツ第2番」は昔のサーカスのジンタっぽいリズム。

ショスタ-コ-ヴィッチは通俗的といえる作曲もできる多彩な作曲家ということを知る。

 

後半

・ショスタ-コ-ヴィッチ(1906-1975)

交響曲第13番「バビ・ヤ-ル」1962年作

バス:アレクセイ・ティホミ-ロフ

合唱:オルフェイ・ドレンガル男声合唱団

1941年9月ウクライナ・キーウ郊外の渓谷「バビ・ヤ-ル」でナチスにより2日間で34,000名のユダヤ人虐殺のエフ-ゲニ・エフトゥシェンコの詩「バビ・ヤ-ル」を第1楽章に第2楽章から第5楽章は旧スタ-リン体制と現体制の遠回しの批判。

ショスタ-コ-ヴィッチが人権抑圧、社会正義に敏感で深く悪の世界に心を痛めていたのが強い説得力のある曲からわかった。

最後の犠牲者の慰めと思われる弦楽のメロディ-は名曲だった。

スウェ-デンのオルフェイ・ドレンガル男声合唱団約60名の声量が大きくて柔らかい声質、バス:アレクセイ・ティホミ-ロフの美声が演奏水準を上げていた。

N響は井上道義の軽妙な指揮に上手に追従していた。

 

座席は2階R15列4番B席、2階右奥で天井がすぐ上にある。家庭の天井が低い部屋の音響に似ていて解放感がない響きだがオケの音は集音効果があるのか聴き取りやすい。