2024年1月20日午後2時 NHKホール 渋谷区神南

NHK交響楽団 第2002回定期演奏会C

指揮トゥガン・ソフィエフ

コンサ-トマスタ- 郷古 廉 Sunao Goko

曲目

・リャ-ドフ 交響詩「キキモラ」

・プロコフィエフ(ソヒエフ編) バレエ組曲「ロミオとジュリエット」

 

・リャ-ドフ 交響詩「キキモラ」

リャ-ドフ(1855-1914)はロシア・サンクトペテルブルク生まれの作曲家。リムスキー=コルサコフの作曲科に籍を置いた が欠席が多く除籍。1878年からペテルブルク音楽院で教鞭を執り、門下にプロコフィエフ。

キキモラは岩山の魔法使いにのもとに住む邪神。デュカスの交響詩『魔法使いの弟子』の弟子のようにキキモラが変幻自在に動き回る。

デュカス同様に人物の描写能力が高く名曲といっても良い曲だった。

 

・プロコフィエフ(ソヒエフ編) バレエ組曲「ロミオとジュリエット」

組曲1,2,3からソヒエフが抜粋しているがバレエの進行とは無関係な順番で最後に組曲1から「タイボルトの死」で終える。

ソヒエフの指揮ではノリの重いN響が一変しティンパニ-をはじめドンピシャに近いリズムの入りに驚く。

しかも弦楽器はきれいにハモりチェロ、コントラバスの響きがよく聴こえる。

木管金管各楽器の音は明瞭で金管楽器も能力の最大限の音が出てくる。

ソヒエフの指揮ではN響は繊細で緻密な響きをもたらす。

 

不足しているのはチェコやスロバキアのオケが持っている自発性の高い表現力と弦楽器群と金管,打楽器の音響パワ-と響きの柔らかさ。

 

プロコフィエフの曲は作曲者自身の耳の良さで木管楽器がオケに埋もれることもなく管弦楽法は昨日のジョン・アダムスと比較にならない程上手い。

曲、演奏ともに高水準の演奏会だった。

ただ休憩なしの短時間の演奏会は交通費を考えるとCPが良くない。

 

座席は3階R3列8番D席、3階右側ブロックの前側。

この場所は大きなNHKホールで舞台から離れているには音量が大きく聴こえ残響音と直接音のバランスが良かった。

ソヒエフの名指揮だったからかもしれない。

 

座席は7~8割くらいの入り。