2026年5月14日午後7時サントリ-ホール
N響 第2063回定期演奏会 1日目
指揮:山田和樹
ヴァイオリン:キム・スーヤン
コンサ-トマスタ-:郷古 廉
曲目
■山田一雄:小交響詩『若者のうたへる歌』
■ハルトマン:葬送協奏曲
ヴァイオリン:キム・スーヤン
ヴァイオリン・アンコール
■J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番
第3楽章(アンダンテ)
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■須賀田礒太郎:交響的序曲 Op. 6
■ヒンデミット:交響曲『画家マチス』
◇感想
■山田一雄:小交響詩『若者のうたへる歌』
1932年マ-ラ-交響曲第5番の日本初演で指揮したプリングスハイムに山田一雄は師事した。
この交響曲に感動してわずか5年後の1937年には体裁の整った曲を創る能力がある山田一雄は有能だ。
イングリッシュホルンはドボルザ-クの新世界からのような郷愁を感じさせ、サックスホ-ンは昭和の戦前ののどかさと中国へ進出を図る軍事大国の日本の暗い影が見え隠れする曲だった。
■ハルトマン:葬送協奏曲
ベルクのヴァイオリン協奏曲を思わせる暗い曲想で人間の死の気配がする。
1939年作曲で技法は当時の先端をいくような感じがした。
ヴァイオリン:キム・スーヤンの響きの鋭さは弱いがオケの伴奏は鋭く対峙した。
フレ-ジングは歌いまわしにくどさがなく聴きやすいがフレ-ズとフレ-ズの間(ま)が深い情感をもたらしていた。
ヴァイオリンの高音の音は艶っぽくて輝かしいが名器というには響きの豊かさが不足し音量はそれほど大きく出せない。
■J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番
バッハの時代を感じさせるひなびた雰囲気、一瞬優雅なヘンデルのようなフレ-ズに聴こえ気持ちがリラックスした。
全曲演奏を聴いてみたくなる味のある表現をした。
■須賀田礒太郎:交響的序曲 Op. 6
1939年作曲で山田一雄の小交響詩『若者のうたへる歌』の2年後の作曲。
山田一雄の曲が古く感じる程、先進的で隙がない有能な作曲家。
しかしハルトマンにみられる新規性、独創性はこの頃の日本の作曲家では伊福部昭が抜きんでているように感じる。
■ヒンデミット:交響曲『画家マチス』
1933年から1934年に作曲された。
聴きごたえのする名曲でこの前に演奏された曲から比較すると独創性、新規性、作曲技法の洗練さは大差をつけている。
1960年代頃はNHKの放送で良く聴かれたがバーンスタイン指揮ウィ-ンフィル演奏でマーラ-ブームになってからはプロコフィエフなど新古典主義の作曲家の演奏が一時演奏機会が減少したように感じる。
マーラ-より先進性があるので、プロコフィエフ同様にヒンデミット:交響曲『画家マチス』がこれまでより取り上げられるようになるだろう。
山田和樹の指揮はダイナミックでリズムの切れ味がよく名演といっていい位の出来ばえ。
N響は最終の第3楽章では山田和樹の指揮のテンポが速すぎて第1ヴァイオリンの演奏に余裕がなくなり難しそうに弾く。
N響にしては珍しく合奏は乱れ気味。
◇座席
2階舞台右6列目、会員S席。リアルにオケの音が聴こえる良席。
◇観客
客の入りは9割以上。


