こんにちは。
山元です。
今月中旬に期限を迎える連邦債務の上限引き上げ問題で、米議会は与野党が対立し、政府閉鎖が続いています。
「米国債がデフォルト(債務不履行)か」と大騒ぎになっていますが、結局は土壇場になって事なきを得ることになるのではないか、と私は思っています。
ただこの問題も然りで、お金を刷り続けることで延命する、金融資本主義経済の綻びが、今後も少しずつ露見してくると思います。
前回話しましたように、1971年にアメリカ政府は、ドル紙幣と金との兌換停止を宣言しました。
金本位制が停止になり、紙幣本位制へと移行したのです。
金本位制のもとでは、保有している「金」の価値以上に、紙幣を発行することはできませんでした。
その制限が外れたことで、各国は何の制約を受けることなく、紙幣を発行することができるようになったのです。
そこには、人為的価値が創出されていきました。
これによって、飛躍的に経済発展を遂げた国が現れたの事実です。
そのため、かつては、100年に1度しか経済バブルは起きなかったのが、立て続きに起きるようになりました。
この40年間、バブルのつけはバブルで返す、が続けられてきたのです。
バブル形成からバブル崩壊、そして新たなバブル形成への繰り返し。
バブルが崩壊し、景気が悪化すれば、前回のバブル上回る大きなバブルをつくり出さないと、景気は回復しません。
回を重ねるごとにバブルの大きさ(紙幣を刷る量)も膨らんでいきました。
バブルが崩壊するたび、金融システムの安定化という大義名分のもと、世界中の中央銀行で大量の紙幣が刷られ、資金供給が実施されてきたのです。
しかし、この一連のサイクルが40年を通過した今、正常に機能しなくなってきたのです。
私は、今回のバブルが最後になるとみています。
閑話休題
前回の話の続きです。
バーナンキと親交があるアナリストA氏は、私に「雇用統計状のトリック」について話し始めました。
ここでは書けないことも多々ありますが、書ける範囲でお話ししたいと思います。
A氏
「アメリカでは現在、毎月850億ドルの買い切りオペ(金融緩和)を行っている。
これを徐々に減らしていけるかどうかが、今注目されている訳だ。
しかし、バーナンキには、それはできない状況だ。
理由としてまず、異常な失業者の数が挙げられる。
現在発表されている米失業率は7・5%だ。
しかし、これは見せかけの数字でしかない。
現在、労働市場に参加している16歳から65歳までの、勤労年代の米国民に対する比率は、7年前から下がってきている。
本来なら、政府発表の失業率で悪い数字が出てもおかしくはない。
しかし、失業率は7.5%で落ち着いている。
ここに「雇用統計上のトリック」がある。
どういうことかというと米政府は、職業安定所に行かず、仕事をさがす痕跡がない失業者は、「就職したいという意志を失っている」とみて、カウントしていないのだ。
ここ5年間くらいは、働きたくても仕事がなく、職探しを諦めた人が増加傾向にある。
失業率が、7.5%と下がってきたと言っているが、実際は12~13%はあるといわれている。
バーナンキは今、買い切りオペ(金融緩和)を止めてしまえば、失業率が増えている事実が表面化して、不況へ再び堕ちてしまうのではないかと危惧している」
以上。
現在アメリカでは、毎月25万人の職が増えないと、景気は回復しないといわれています。
昨年後半から、米不動産市場も持ち直して、株式市場も回復してきたようみえます。
しかし現実は、仕事がない人は増え続けている。
しかも、インフレ率はバーナンキがターゲットとして挙げている2%にいかないレベルです。
バーナンキも本音は、緩和縮小を自分の任期のうちに始めたいのでしょうが、できないのが現状です。
彼は公式な発言でも「雇用問題が改善しない限りは、(緩和縮小は)難しい」と言っている。
その発言の裏には、さまざまな事情があるのです。
表だって、メディアには取りあがられませんが、米経済はさまざまな闇を内包しています。
次回は、A氏が話した金融資本主義経済の負の副産物について、お話します。