9.鎌倉うずまき案内所    青山美智子


連作短編集。

2019年蚊取り線香の巻/2013年つむじの巻/2007年巻き寿司の巻/2001年ト音記号の巻/1995年花丸の巻/1989年ソフトクリームの巻。

主人公が道に迷って『鎌倉うずまき案内所』を訪れる。
そこには双子のおじいさん外巻と内巻、アンモナイトの所長がいて、水を張った甕を覗くとご案内が頂ける。

どの話もスゴく良かった。
最後まで読むともう一度読み返したくなる(読み返した)。
この人がこの人かぁ、名前の由来はこれかぁという発見が楽しかった。


『人生ってまっすぐな道を歩いていくんじゃなくて、螺旋階段を昇って行くようなものなんだなって。お互いの曲線がそっと近づいたり重なったりするときに人は出会うものだし、ぐるぐる回りながらまた同じような景色を見たりする。』

『何かを残すためじゃなくて、この一瞬一瞬を生きるために、私たちは生まれてきたんだよ。生きるために生きるんだよ』
マーちゃんの言葉が深い。

昭和元年が7日間、昭和64年が7日間というのも不思議。クロソイド曲線みたい。