124.ある男    平野啓一郎


 夫の死後、仲違いしたという彼の兄に連絡し夫の遺影を見せると、この人は弟ではないと言われる。
夫はいったい誰だったのか?
弁護士が夫の正体を追いかける。

夫を亡くした里枝の物語は集中できたのだが、在日三世の城戸弁護士の物語にはどうにも入り込めずに時間ばかりかかってしまった。

戸籍を交換して過去を捨て別人の未来を生きる。
それが死で別人として生きていたことが明かされてしまうとは。
残された家族もどう気持ちを処理していいのか。
なんとも考えさせられる物語だった。