12.闇に香る嘘 下村敦史
中途失明者の村上和久は腎臓病の孫のため腎臓を提供しようとするが不適合となる。
孫のために、岩手に住む兄竜彦に腎臓提供を頼むが検査すら頑なに拒否される。
中国残留孤児として中国から帰国した兄。
兄は本当に私の兄なのだろうか?
盲目のなかで疑心暗鬼になる様子が生々しい。
疑いだすと全てが疑わしくなっていく。
失明者の世界、中国残留孤児のこと、コンテナ船での密入国と内容は盛りだくさんなのだが物語は破綻なく進み最後は涙した。
愛ゆえの言葉が真逆に聞こえてしまうとは。
60回江戸川乱歩賞受賞作とのことだが素晴らしかった。
お薦めです。