2024.3.19… 2 

特別な衣装はなく 繰り返される基本動作は紅の円卓上で蝋燭の炎のように荒ぶる


日本人女性で唯一ベジャールの「 ボレロ 」を踊る事が許されている 上野水香さんが昨年秋紫綬褒章を受賞 それを記念して『 上野水香 オン ステージ 』が開催される


思えばずっと彼女のボレロを見たいと念願していたのでプラチナチケットをゲットし何年かぶりに東京文化会館大ホールを訪れる










ホールでは沢山の人々が開場を待っているが バレエを観覧に来てる方々はライブやスポーツ観戦に来るファンとはちょっと違い どこかドレッシーで沈着 それでも開演前の場内外は活気で溢れてる

壁に張られたプログラムには…

第1幕 カルメン

カルメン 上野水香  ホセ 柄本 弾 +  東京バレエ団

休憩を挟み

第2幕 

① ドン キホーテ

キトリ 秋山 瑛 バジル 生方隆之介 + 東京バレエ団

② タイス 上野水香  柄本 弾

休憩

第3幕 ボレロ

メロディ 上野水香 + 東京バレエ団




指定された席に座り開演を待つと 暗転からプラサ デ トロスを型どったステージが現れ 上野さん演じる「 カルメン 」が降り立つ





男女の愛憎 トーシューズのきしむ音 吐息まで五感に染み込み 気がつけばカーテンが落とされ1幕終了

2幕は「ドン キホーテ」東京バレエ団のと言えばこの作品になり 貴族たちが舞い踊る

一旦幕引きの後 上野さん 柄本さん ふたりによる「 タイス 」娼婦と修道士の儚い恋物語が綴られ 何だか不思議な気持ちになる 

そうその時 私はトリップしていて過去が走馬灯のように灯り不可解な流れの中にいて… 幕が落ちる

ちょっと自分の感覚を確かめなから我に帰ると 遂に追い求めていた「 ボレロ 」が目の前で始まる

真っ赤な円赤台の中央で許可されたダンサーしか踊れない特別な舞い

確かにそこにトップバレリーナである彼女はいた 実在していた








( 画像はお借りしました )

このシルエットからは … 熱い情熱と言うより大海原で風を受けうねりながら旗を振るジャンヌダルクのよう

それでいてシンプルな装いなのに十二単で奏でる迫力と魅力のアンサンブル ここに居て感謝する


ショーが終値 何度もカーテンコールに現れる彼女 それは夢から現実に引き戻されるプロセデュールかもしれない。



上野水香 オンステージ 2024.3.19



by locutus