変わらないモノ変わってしまったモノ | mk14ebr 智&翔 わちゃわちゃ

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智くん大好きが引き金で
嵐のお山コンビに希望と願望を募らせた妄想100%のBLのお話しです

BLです 彼らを想像してお読みください







『はあぁ〜〜 またこんな時期だぜぇ』


ドラマの撮影後 

家族が待ってるって言う言い訳も 鼻先で交わされ

一軒から二軒三軒と店を連れ回され

ひと目に触れない様にと 漸く夜明け前に解放された


雨上がりの早朝は人気も澱んだ空気も一掃し

日々酷使している心の垢がゆっくりと剥がれていく様で

家からワンメーター前で降りた甲斐があったかな


『ん⁉️ 見覚えのある猫背・・・』



「リーダー?」



「ふえっ? ああ ニコ」




「何してんのこんなとこで?」




「タクシー待ってんの」




「ああ そう言えば リーダーん家 この辺だっけ」





「仕事?」




「うん ドラマの撮影 その後の飲み会の帰りだよ」




「おちゅかれ」




ふふ 相変わらずなんだから

普通さあ どんなドラマ?とか 誰と飲んだの?とかあるだろっ

少なくても足の小指だけでもこの世界に居る者のくせに

本当に興味ないのにも程があるわ




「で リーダーは釣り?」





「えっ⁉️何で分かんの?」




そりゃ 勘の鋭い俺じゃなくても分かるっつうの

バリバリのフィッシングベストに

竿が入ってるだろうのケースにクーラーボックス

それにバッチの様に付けてるけど

それ ルアー・・・だよね




「タクシーで行くの?」




「うん」




「アプリで呼べば良いのに」




「らいじょうむ もう来るから」




「もう来る? じゃあ予約したんだ」




「予約・・・約束たな」




約束? 運転手と? 顔馴染みか?




「あっ 来た!」




タクシーとは言い難い高級な四駆が音もなく止まると

ゆっくりとドアが開き

ボサボサ頭に不似合いのフィッシングベストを着た男が降りて来た







「お待たせぇ〜トシくん」




「ようちゃん?」




「ようくん おしょい」




「ごめん ごめん つい嬉しくて興奮しちゃって はははは」




ったく 相変わらずデレデレしてんなあぁ

タクシー扱いされてるってのに




「何?ようちゃんオフ?」




「そう 1日だけだけどね」




たった1日の休みならば ゆっくりすりゃあいいものを

リーダーの釣りに付き合うとは・・・




「ようくん 早く行くよ」




「はいはい 荷物はこれだけ?」




・・・・ふっ 幸せそうな顔しやがって




「トシくんの好きなパン買ってあるよ」




「やったあぁ〜」




「食べる?」



「食う」



「もう そんなに頬張らない」




嬉しそうにパンやコーヒーと世話を焼きながら

優しく見つめる



懐かしい この空気




初めは先輩であり 尊敬し憧れの延長線上の気遣いかと思っていたが

直ぐに違うと分かった

そこにあるのは 愛 だと





「変わんねえなあぁ〜 ようちゃんは」




「ん?」




「リーダーへの想い」




「ふふ・・変わらないよそれだけはね

この先何があっても絶対に変わらない この思いだけは」





ふっ 良かった 





「ようくん行くよ」




「はーい じゃあニコ またな」




「バイバーイ ニコ」




「気をつけて」






朝日に吸い込まれる様に車が小さくなっていった




ふっ 釣りを餌に釣られたな リーダー

まあ 休止中だからキスマーク付け放題だしね

ようちゃんにとってはこの上なく最高の休みなんだろう


今度 俺もついて行ってみるか

ま 絶対 断られるだろうけどね






ああ 朝日が俺を伸ばしていく

俺の帰る所に・・・俺が選んだ所に

すっかり変わってしまった俺の時間に