ま、ここに宣言しても影響力皆無ですけどねー。どうせ変わらない、と思うのも嫌なんで、書いておきます。
そもそもこの処分は、史郎氏が亀田三兄弟の二男・大毅選手の内藤大助選手との世界タイトルマッチの際、大毅選手に反則を指示したことに対して科されたわけです。
史郎氏自身は、この「指示」について、テレビで克明に音声を拾われているにもかかわらず、指示したことを認めていません。
認めないし、謝罪もしない、その代わりに、この処分を受け入れたわけです(ついでにいえば、あれだけの大バッシングと向き合い謝罪することを、弱冠二十歳の長男・興毅選手に押しつけて)。
処分解除の申請につき、これまでの活動報告も行ったようですが、一体何を「活動」したというのでしょう。ボクシングに関わる活動だったとしたら、論外ですね(升田×デンカオセーンの世界戦を邪魔したり、正規王者が健在なのに暫定王者決定戦を画策したり、協栄ジムを訴えたり、という地下活動でしょうか?)。
また、「反省」だとしたら、これもまた奇妙な話です。反省すべき行為をしたことを認めていないわけですから。
どうも亀田一家を擁護する方々の頭からは抜け落ちているようですが、これは、過ぎたことをほじくり返しているわけでも、過ちを認めてやり直す態度を認めないわけでもないのです。人はやり直せる、ということを否定しているわけではないのです。
亀田史郎氏に関しては、過ぎたこと、ではないのです。過ぎるどころか、始まってもいない。
「指示した」ことを、認めない、謝らない代わりに、処分を受けたわけですから。認めていないことを、償いようも反省しようもありません。ルール上解除申請ができるとはいえ、だからこの処分は「永久追放」と同義だと思っています。
僕はこの三兄弟が、気の遠くなるほどの努力を積み重ねてきたであろうことは、何回でも認めます。家族の絆を否定するつもりもありません(この世で一番大事なものの一つでしょう)。
でも、これはプロボクサー三兄弟だけの問題ではなく、彼らを使って、プロボクシングに全く尊敬を払わないやり方(マッチメイク)で、プロボクシングがプロボクシングであるところの、真剣勝負の切実さ、無情さ、それゆえの崇高さ、を回避しながら王座という肩書や、視聴率やら、そんなリターンを得ようとする周囲の業界ゴロと、三兄弟に絶対的な影響力を持ちながら(それ自体は近ごろ珍しい強い父親として、尊敬にすら値すると考えますが)、それを間違った方向に用い、プロボクシングのイメージと世界戦の権威に歴史的な汚点を残した亀田史郎氏を以前と同じ形で(先ほども書きましたが、償うべき罪を認めていない以上、同じ形でしかありえません)認めるか、ということなのです。
JBCは「倫理委員会」で処分解除の可否を検討するそうですが、まともな「倫理」が残っていることを、切に期待します。