春の句残りです。(一部冬の句)

ひとこと頂ければうれしいです。

 

 行雲の不安ベートーベンの「春」

 菜の花の浅き春色ゆがきけり

 春近しパンフの文具いきいきと

 桜月夜やは肌いよよ美しき

 のろひ歌黒き胡蝶を責めにけり

 卒業の五百の席のガランとす

 建売の現場となりて春の花

 ミモザ咲くエアフランスの航空券

 友のごと幼なと父と桃の春

 桃花満開伊邪那岐尊の息吹

 山行に降り立つ駅の朝つばめ

 花水木見上ぐ屈託なきがごと

 ぼんぼんを七つ八つ落とし八重桜

 頼朝の都の雨や落椿

 壮行会筍鍋をあふれ出(づ)る

 行く春や花一輪を迷ひけり