スペイン出発前の最後の仕事 その1. | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

みなさんご機嫌いかがですか?

 

いよいよスペインに行くまでに、残り少なくなった時間の中で、オープンしたばかりのホテルを「宇都宮で一番愛されるホテル」にするために、何をしたかをお話ししたいと思います。

 

大きく分けて2つのことをしました。

 

1つは、僕がスペインに行った後を安心して任せられる、「適材適所」の理想の後継者を見つけること。

 

そしてもう1つは、何かお客さんに喜んでもらえそうなことを考え、そして即実行すること。

 

以上の2つのことでした。

 

オープンの翌日に、社長に「社長、オープンも無事に済みましたので、1ヶ月後に退職させていただきます。至急私の後任を探してください。」と言ったところ、「君の後任は誰でもいいというわけにはいかないから、君に信頼できる後任を探してもらいたいんだよ。君の後任には宇都宮だけではなく、川崎も任せるのだから、川崎で君が追い出したヤクザたちが、君が辞めたとたんに舞い戻ってきたら大変だから、君のようにヤクザを恐れず、毅然とした態度を取れる人間じゃないとダメだぞ。」と、まるで絵に描いたような理想的な後任を探してくれと頼まれてしまったのです。

 

まさか退職の直前になって、自分の後任探しまで頼まれるとは思っていなかったので(しかも絵に描いたような理想的な後任を)、一瞬「まさか社長が言うような、絵に描いたような理想の後任が見つけるまで、退職させてくれないってことはないだろうな、、、」と思ってしまいました。(この社長なら十分あり得ました。笑)

 

その場で「そんな絵に描いたような理想的な後任がすぐに見つかるわけないじゃないですか」と言いかけた瞬間に、まるで奇跡のごとく僕の頭の中にまさに「絵に描いたような理想的な後任」が一人浮かんだのです。

 

奇跡的に頭の中に浮かんだ「絵に描いたような理想的な後任」は、何と僕の兄でした。(灯台下暗しとは、まさにこのことです。笑)

 

「兄貴なら理想的な後任だ!」と思ったのですぐに社長に言いました。

 

僕「社長、一人だけまさに絵に描いたような理想的な後任候補がいました。」

 

社長「本当か!?」

 

僕「ハイ、これ以上理想的な後任はいないと思います。その人物が社長の右腕になれば、間違いなく今以上に会社は発展すると思います。その人物は私よりもはるかにホテルに詳しく、私と違ってビジネスの才覚もありますから、これからの会社の発展のためには、間違いなく「適材適所」の人物だと思います。しかも私以上に社長と馬が合うと思います。社長は私と一緒にいるよりももっとハッピーになれると思いますよ。(笑)一体誰だと思いますか?」

 

社長「私が知っている人間か?」

 

僕「ハイ、社長もご存知の人間です。実を言うと私の兄です。兄は何回か川崎に来たことがあるのですが、2,3回は社長に会っているはずです。」

 

社長「君の兄貴のことなら覚えているよ。そうか君の兄貴か!灯台下暗しだなぁ。確かに君の兄貴なら、見た感じ君に似て責任感もありそうだし、度胸もありそうだな。確か君の兄貴はどこかのホテルで支配人をしているって言ってたな。」

 

僕「ハイ、門前仲町と言うところのホテルで支配人をしています。私と違って、兄は大学を卒業してから、ずっとホテルマンとして生きて来ましたから、ホテルのことは私よりも何倍も熟知しています。しかも兄はすごいアイデアマンなのです。そして何よりも誠実な人間ですので、100%信じられます。きっと社長も気に入られるはずです。私よりも3才上なので、現在39才です。社長さえよろしければ、すぐにでも兄に話しをしてみます。」

 

社長「わかった。すぐに話してみてくれ。来てくれればいいがな。」

 

ということで、すぐに兄に電話をかけたのでした。

 

兄との会話はだいたい次のようなものでした。

 

僕「兄貴は今いるホテルで、いくらアイデアを考えても、総支配人が全く取り上げてくれないから、面白くないって言ってたよな。それだったら俺の後任で俺のところに来ないか?俺の後任で来れば、俺が持っている全権限を、兄貴が自由に使えるようになるから、兄貴が頭の中に持っているアイデアも好きなだけ実現できるぞ。どうだ来ないか?」

 

兄「孝のところに行って、好きなことをやらせてもらえるなら、願ってもないことだけど、社長は何て言うかな?」

 

僕「社長にはたった今話したよ。俺が兄貴を推薦するのなら、間違いないだろうからすぐにでも来て欲しいってさ。だから兄貴さえOKならこっちは何も問題はないよ。」

 

兄「そうか、それじゃあ俺が孝の後任で行くことは社長も了承済なんだな。それだったらすぐにでもうちの社長に退職届を出すよ。ただそうなると、うちのホテルも、俺の後任の支配人を探さなければならないから、今日、明日というわけにはいかないぞ。」

 

僕「だいたいどれくらいで来られそうかな?」

 

兄「少なくとも2~3週間は見た方がいいな。」

 

僕「わかった。2~3週間だな。俺の後任は兄貴しかいないと思っていたから良かった。社長も喜ぶよ。もし後任が見つからなかったら、見つかるまでスペインに行かないでくれって、あの社長なら言いかねないからな。(笑)それから兄貴が来たら、兄貴が慣れるまで1ヶ月間は残って兄貴と一緒に仕事をして、それからスペインに行くから、大船に乗ったつもりで安心して来てくれよ。」

 

兄「そうか、それじゃあ1ヶ月間だけでも、一緒に仕事が出来るんだな。楽しみにしているよ。」

 

ということで、兄が僕の後任と決まったのでした。

 

続きは次回のお楽しみに!

 

それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝