かなりの前評判だったためにものすごく期待するものでした。カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリに輝くというのも含めて相当驚くものでした。第96回アカデミー賞では作品賞と監督賞と脚色賞と国際長編映画賞と音響賞の5部門にノミネートされたというのもさすがでした。結果的には国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞したというのも含め、自身の事前予想通りで嬉しくなるものでした。

 

クリスティアン・フリーデル演じるルドルフ・ヘスや、サンドラ・ヒュラー演じるヘートヴィヒ・ヘスなどのキャスティングもなかなかでした。A24関連の作品というのもかなり注目するべきところかなろ思いました。「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」を作るほどのジョナサン・グレイザー監督だからこそ、こういった作品を作れたのかなと思うところも多々ありました。驚異的だなと。

 

イギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品であるがために、最近は割と原作でなく原案から膨らませた映画もよく映画化されてるなと思いました。どういったものが登場するのかという期待感はありましたが、オープニングの音楽がかなり恐ろしさを強調するような感じでかなりゾクゾクしました。詳しい説明がなかったためにかなり想像が膨らませるものでした。

 

映画のスタートからかなり平和な日常だったなと感じました。ですが、アウシュビッツ強制収容所の中の説明を紙で説明してる部分はかなり恐怖感を感じさせるものでした。アウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描いたものですが、ところどころで音が聞こえてきたり、妄想的な場面もあって平和の中に壮絶なものを垣間見れるものだったなと感じました。部屋での場面も印象的でした。


タイトルであります「The Zone of Interest」は関心領域という意味ですが、かなりこれを強調しているものだと感じました。関心領域という言葉についてもっと知りたくなるものでした。水辺での男女の会話の部分など、自然も豊かなところだったなと思わせるものでした。ラストのアウシュビッツ強制収容所だったところでの展示物のところも色々と考えさせられるものでした。もっとおそろしさを強調してたなと。

 

あらゆる意味で今までにない描き方でナチスドイツの脅威を描いた映画だなと実感です。

 

866点 ナチスの脅威はあらゆる形で描写可能ポイント 8.6点