レオニー・ベネシュ演じるカーラ・ノヴァクや、レオナルト・シュテットニッシュ演じるオスカーや、エーファ・レーバウ演じるフリーデリーケ・クーンや、ミヒャエル・クラマー演じるトーマス・リーベンヴェルダや、ラファエル・シュタホビアク演じるミロス・ドゥデクなどのキャスティングがかなり自然でこの世界に合っていたなと思いました。映画全体的にはドイツ映画的な独特部分もありつつも、かなり一般的な部分も多かったかなと思いました。

 

ラ・ノヴァクの教師ぶりはとてもいい感じで正義感あふれる雰囲気がとてもグッドでした。コロナの影響もあってか、どの国でも学校や教室にパソコンを持ち込むのも普通なのだなと思いました。学校内で盗難事件が多発して生徒たちが容疑をかけられているところもかなり衝撃を受けました。やはり何といっても生徒たちの様子がかなり自然な雰囲気で誇張なくて本当の学校に来たのかと思うほどでした。

 

正直言いますと、パソコンがここまで発達してるなら、もっとちゃんとした鍵ありのロッカーなどはないのかなと思うところはありました。自身も公共の図書館で財布を入れたままのコートを盗難されたことがあったため、かなりリアルに思えるところもありました。教員たちが生徒たちの財布の中身をチェックすると言い出すところも含め、思った以上に騒動に発展していく展開はリアルだけど恐ろしく感じると共に、ここまで生徒を犯人扱いして追い詰めるのかと疑問に感じるところもありました。

 

トルコ系の生徒が多額のお金を持っていることが発覚したがために教員たちはトルコ系生徒を盗難の容疑で非難し始める展開もかなり壮絶だったなと。両親を呼んでからの泥棒扱いは人種差別じゃないのかなどと言い出すところも色々と思うところがありました。ドイツ語と英語などの言葉も複数なのも含めて、国際化すればするほど問題も増えるのかなと。カーラ・ノヴァクは同僚が金を盗むのを目撃すると犯人は生徒ではなく教師かもしれないと思う部分もかなり強烈でした。

 

だんだんエスカレートしていく様子は本当にその現場にいるような錯覚に陥るほどでした。カーラ・ノヴァク自身がジャケットに財布を入れたままノートパソコンで録画したまま席を立つことにする決意部分もかなり驚きでした。犯人捜しに成功したにもかかわらず、逆に相手は休職処分を受けた後に立ち去っただけでなくプライバシーの侵害で告発されカーラ・ノヴァクまで窮地に追い込まれるのもかなり想像を絶するものでした。

 

相手の息子のからみで学級崩壊につながっていくのも恐ろしかったなと。あらゆる意味で新任教師が逆に窮地に追い込まれていく様子を描いた衝撃の学校問題作映画と実感です。

 

876点 犯罪行為をするときは人と同じような服装で実行するべきポイント 8.7点