アニメや漫画の「からかい上手の高木さん」は見たことありませんが、かなり見たくなるものでした。原作者の山本崇一朗がこの世界の舞台については特定せずにイメージした場所はないというのも納得できるものでしたし、物語の設定はどこかの田舎であり意識していないというのも肯けるものでした。中学校の同級生同士である西片と高木さんとのやりとりを描くラブコメディではありますが、やはりこの映画を観ますと中学生時代のふたりをもっと見たいなと思わせるものでした。

 

高木さんも西片もどちらも血液型がO型という設定もかなり好感の持てるものでした。高橋文哉演じる西片と永野芽郁演じる高木さんとのやり取りがかなり絶妙でゾクゾクするところが多かったです。この映画を小豆島でロケーションしたのも大きかったなと。純粋な西片を高木さんは純粋に好きであるにも関わらずにからかうという形で愛情表現を何百回とするという気持ち部分もかなり理解できて納得できていい感じだったなと思いました。

 

今泉力哉監督がテレビドラマに引き続いて映画版を監督してるのも大きかったなと。ですが、やはり今泉力哉監督作品では多々見られた部分、若干間延びしていてもどかしいところもこの映画の中で多数感じられて多少じれったくなるかなと思うところもありました。高木さんと西片の同級生で挙式を挙げる真野役の平祐奈と、田辺先生役の江口洋介はかなりうまくこの世界に溶け込んでいていい感じでした。

 

教育実習で10年ぶりに島に高木さんが戻ってくるにもかかわらず、周りの人たちに高木さんがお願いしていたこともあってサプライズで西片を驚かす展開もかなりドキドキして高木さんらしくてよかったなと。高橋文哉は純粋でいい人過ぎる西片をかなりのアプローチで見せていてさすがだなと。永野芽郁も素のままの高木さんを誇張せずに等身大で演じていてかなり好感でした。よかったなと。

 

掃除の道具箱から出てきて驚かすところが今も10年前も変わってないところもグッドでした。西片と高木さんの中学生時代を演じていた二人もかなりうまく表現していてナイスキャスティングだなと感じました。西片が担任を務める2年3組の生徒であります白鳥玉季演じる大関みきと、齋藤潤演じる町田涼の関係性と恋の展開部分もかなりうまく描いてあってよかったなと。「カラオケ行こ!」で岡聡実役を演じていた齋藤潤だからこそかなと感じさせるものでした。

 

教育実習期間の3週間もじっくりうまく描いていてわかりやすかったです。高木さんと西片の関係はこのまま平行線をたどるのかと思いきや、まさかの教室で高木さんからの好き告白を受けてからの西片から高木さんへのプロポーズ展開がかなり意表をついていて感動的でよかったなと。ラストの結婚式でからかうことを誓い続ける高木さんの気持ち部分で全てうまくいったことをわからせる部分も好感な爽やかからかい恋愛映画の佳作映画と実感です。 
 

895点 からかうことで愛情表現できる間柄が理想的ポイント 8.9点