アン・ハサウェイとピーター・ディンクレイジを夫婦役にしたという発想からしても今までの映画にはないものを感じました。ダニエル・デイ=ルイスの奥さんでもある監督のレベッカ・ミラーは何作かすでに作品を作っていますが未見のものばかりですので、過去の作品も観たくなりました。レベッカ・ミラー監督は女優でもあるというところも大きかったかなと。

 

アン・ハサウェイ演じるパトリシアとピーター・ディンクレイジ演じるスティーブンはニューヨークのブルックリンに暮らしているというところもあり、そういった都会的な雰囲気もあってグッドでした。精神科医のパトリシアと現代オペラ作曲家のスティーブンの夫婦の会話の様子や、普段の生活ぶりもなかなかな感じでよかったです。スティーブンがオープニングからかなり作品ができずに悩んでる様子がうかがわれてよかったなと。

 

スティーブンの潔癖症な感じもよくわかるものでした。人生最大のスランプに陥ったスティーブンが愛犬を散歩させてる様子なども、味があってよかったなと。スティーブンが愛犬と行くあてのない散歩をしている過程で立ち寄ったバーに客は誰もいないと思ってたら、マリサ・トメイ演じる船長のカトリーナがいるという場面もなかなかよかったなと。スティーブンとカトリーナの会話が弾んで、カトリーナの誘いで船に乗り込んでいくところも面白かったです。

 

男女の関係性でも割り切っていればいいのだなと思わせる関係性表現部分もこの映画ではかなり斬新に思える部分でした。エバン・エリソン演じるジュリアンとハーロウ・ジェーン演じるテレザの二人の関係性部分もうまく描かれててよかったなと。若い二人の性行為場面もかなり強烈に思えました。愛し合うがゆえに18歳と16歳という年齢での恋愛部分もかなり納得できるものでした。

 

恋愛な部分とコメディな部分をうまく配分してあるなと思いましたし、ロケーション部分もよかったなと。エバン・エリソンとハーロウ・ジェーンのキャスティングもいい感じだったなと思いました。ピーター・ディンクレイジの表情での表現力はさすがだなと思いましたし、家族でオペラ鑑賞してる場面もなかなかでした。スティーブンとカトリーナの性的な関係部分での、意気投合部分とすれ違う部分も巧妙に表現しててグッドでした。

 

18歳と16歳の恋の行方の決着のつけ方もうまく展開させてて見事だったなと。叔父にはめられて会話を録音されてしまうテレザの追い詰められ場面もかなり緊張感あってゾクゾクしました。クラシックコスプレも興味津々でした。パトリシアが男性相手に裸になって叫ぶ場面は今までにない見せ方でかなり興味の持てるものでした。州が変われば結婚できるといった駆け落ち的のような家族での逃避行的ラスト展開もかなり見事で素晴らしかったです。あらゆる意味で色々な男女の愛の形を描いたニューヨークのブルックリンを舞台にしたロマンチックコメディ映画の傑作映画と実感です。

 

875点 異色家族の絆が心に突き刺さるポイント 8.7点