米アカデミー賞の作品賞にノミネートされたと知った時からかなり注目してた作品でした。グレタ・リー演じるノラと、ユ・テオ演じるヘソンと、ジョン・マガロ演じるアーサーの主要な3人で構成されている構成具合がとてもいい感じだったなと。今回の米アカデミー賞の作品賞ノミネート作品では、「落下の解剖学」と「パスト ライブス 再会」は2か国語の言語が飛び交うという点ではとても斬新ではありますが、逆にどうしても気になる部分でもあったなと。

 

こうした国際色豊かな部分であり、一見その国の母国語的映画と思いつつも英語が出てくるという部分でアメリカ的な部分の要素もあるという作り方がある意味今の流行かな?と思ってしまうところではありました。オープニングで3人の男女がおしゃれな店で会話をしていて、それを客観的に観てた人たちが白人男性一人と東洋系男女二人がどちらが夫婦なのか?と疑問に思う部分もかなり納得できるものであり、映画の途中でその場面が出てくる展開のシナリオ部分がかなり上手いなと思いました。

 

12年ごとに時代と人物を描写して、12年といういい具合の年数で区切ってるところもシナリオがうまいなと思わせるものがありました。ノラとヘソンの12歳の時の場面が起点となっているために、オープニングの二人がテストの点数が1番か2番かという
会話部分が一見何気ないように見えても、実際はかなり意味があるものかなと思えるものでした。もう少し幼少時部分が欲しかったかもと。

 

何といっても「パスト ライブス/再会」はセリーヌ・ソン監督が12歳でソウルからカナダへ移住した後に、ソウル時代の初恋の相手と大人になってからニューヨークで再会した自身の経験を基に脚本を書き上げたという部分も含めてかなりこの映画でリアルに表現していて凄いなと。自分の分身であるヒロイン役でありますノラ役をグレタ・リーに託したという部分も画面からかなりひしひしと伝わってきました。

 

前世、すなわちパスト・ライブスで結ばれていた仲というセリーヌ・ソン監督の信念があったからこそかなと。ソウルで別れた2人の男女が、12年後の24歳の時にSNSで連絡を取り合ってう場面のドキドキ具合も心に沁みました。さらに12年後の36歳でついにニューヨークで対面を果たすという展開も淡々と描きながらもドラマチックで感動的かなと。アーサーとの結婚がノラのグリーンカードにも関係しているというところも色々と思うところありました。

 

ヘソンとノラが再会してから色々と語り合う場面の雰囲気がたまらなくよかったなと。メリーゴーランドの場面もかなり印象的でした。アーサーも合流して3人なってからの会話部分に真実があったのではと思いました。あらゆる意味で運命的なパスト ライブスを表現した異色遠距離男女恋愛映画と実感です。 

 

867点 前世で結ばれてたかもしれない予感こそ大切ポイント 8.6点