バーナード・マラマッドの野球小説「ザ・ナチュラル」の映画化であり、時代背景が1920年代から1930年代のアメリカ合衆国という事もありこういったその当時を表現した小説はとても貴重ではないかなと思いました。この映画に流れるクラシックな雰囲気がとてもいい感じであり、野球の事もしっかり描いてて何度見ても心地のいい心温まる映画だったなと。ランディ・ニューマンが手掛けた音楽もかなりこの映画にピッタリでいい感じでした。

 

このときのロバート・レッドフォードは色々な意味で完璧ではないかと思うほどでした。オープニングで父と息子のキャッチ・ボールをしている1918年のネブラスカ草原場面からかなりグッときました。アラン・ファッジ演じるエド・ホッブスがロバ
ート・レッドフォード演じるロイ・ホッブスをずっとコーチし続けてきたという熱心ぶりがあったからこそかなと。この時代でも天才肌での野球プレーヤーはここまで注目されるのだなと思うところもありました。

 

ロイ・ホッブスが打つことも、守ることも、投げることもすべてが天才児であり、どれをとっても大リーグ並みだという部分の評判ぶりもかなりしびれて感激するものでした。グレン・クロース演じるアイリス・ゲインズがロイ・ホッブスを見つめる様子部分もかなり雰囲気あってよかったなと。ロイ・ホッブスは雷で2つに裂けた樫の木を削って手製のバット=ワンダーボーイを作る過程のところもあらためて感動的に感じれてグッドでした。

 

列車を下りたところでのロイ・ホッブス が名物バッターとの場外対決して三振奪取場面もかなり興奮するものでした。ロバート・デュヴァル演じるマックス・マーシーの存在感はなかなかでした。ロイ・ホッブスがバーバラ・ハーシー演じるハリエット・バードに銃で撃たれる場面もかなりの緊張感があってゾクゾクしました。他者から推薦されてロイ・ホッブスがウィルフォード・ブリムリー演じるニューヨーク・ナイツの監督でありますポップ・フィッシャーの前に現れる場面は本当にショッキングでありながらも、感動的でもあったなと。

 

同じポジションの選手がアクシデントで亡くなってしまう展開もかなり驚くとともに色々と思うところもありました。キム・ベイシンガー演じるメモ・パリスの妖艶部分もあらためて凄いものを感じてしまいました。野球場面の見せ方もかなりわかりやすく巧妙で、何気なく見せてるところも実際は時代考証も含めてかなり大変だったのかもと思いました。ロイ・ホッブスがアイリス・ゲインズと再会したときに息子がいると告げられるところのショッキングさから、実は父親はロイ・ホッブスだとわかる最後の最後のところも本当に素晴らしい結末と感動ラストだったなと感じました。

 

古傷に負けずにホームランを放ったロイ・ホッブスが最後に本当の息子とのキャッチボールするラストまで本当に見事な感動的野球巨編映画と実感です。 

 

899点 ナチュラルに自分を信じて生きて信念を貫くことが大事ポイント 8.9点