約40年の年月を経てやっと映画館で観ることができて感無量です。1982年度の激戦の米アカデミー賞の中で、アカデミー作品賞を獲った作品というのがずっと頭の中をよぎってました。相当な作品だというものが大きかったなと。ガンジー役のベン・キングズレーはその後も俳優で活躍し続けてるというのも凄いなと思いました。ガンジーが亡くなったのは、1948年という日本が終戦で焼け野原になった1945年の3年後というところをしても、かなり戦前で活躍してたのだなと感じました。

 

ですが、そういった部分も含めて、かなり思ってた時代とのズレがありました。1948年にの独立を勝ち取ったインドでの礼拝時で大勢のインド人がガンジーを取り囲む中で、ひとりの男がガンジーに近づき3発の銃弾でガンジーの命を奪ったというオープニングからかなりショッキングでした。ですが、正直いいますと、全編英語というのは観てから知ってそれもものすごくショッキングでした。

 

あまりにもイギリスやアメリカ側から描き過ぎだったなと。ベン・キングズレーもイギリス人とインド人のハーフというのもあったなと。米アカデミー賞の前年受賞作品が「炎のランナー」というのあってか、イギリス的作品といった点での受賞という思いもありました。正直言いますとこの約40年間にかなりのインド映画も公開されまして、「RRR」といったインド植民地時代を舞台にした壮絶なインド映画もあるためか、どうしても今回の映画は「ラストエンペラー」しかり英米からの立場的映画に思えてならなかったです。

 

若いころから銃で撃たれるまでのガンジーをベン・キングズレーがここまで全身全霊で入り込んで描いていたのはさすがでした。1893年のイギリス領南アフリカでの列車の一等車差別反感行動部分場面描写もよかったなと。ガンジーが人種や、宗教や、階級の垣根を超えたアーシュラム共同農園を作ることによる、イギリスの人種政策に対抗するといった行動的な面などの描き方もわかりやすくてグッドでした。

 

ガンジーが非暴力を掲げて抵抗を開始する様子など、民衆の指示を受けてインドのために奔走する様子もわかりやすかったです。リチャード・アッテンボロー監督の後からの作品であります「遠い夜明け」につながるのもよくわかりました。マーティン・シーンやキャンディス・バーゲンの演技もいい感じでした。ハンガーストライキなどの部分もしっかりと描かれてて感動的 でした。

 

時系列でガンジーを描いていて188分の醍醐味もいっぱいの超大作ですが、かなり英米寄りになってしまったのが気になる力作超大作映画でした。 

 

880点 インドの独立のために世界中を駆け巡って体を張った男の生きざま壮絶ポイント 8.8点