スティーブン・スピルバーグ監督が1985年に監督した「カラーパープル」の衝撃が今でも忘れられません。自身の姉に「映画観て泣いたことある?」と聞かれたときに、真っ先に「カラーパープル」といった思い出がありました。今回はこの作品をリメイクして、さらにそれをミュージカル映画としたことはとても驚きでした。やはり約40年という年月の間に自身に起きたことを振り返るいい機会だったなと。

 

ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説の映画化ですが、ブロードウェイでロングランヒットを記録したミュージカル版の存在は知りませんでした。やはりどんな形になっているかはとても気になりました。ですが、基本的には変わってないのだなと思うところもありました。田舎町に暮らすセリーとネティの姉妹の物語でありますが、今回は多少イメージも変わってたかなと。


ファンテイジア・バリーノ演じるセリーが14歳で暴力的な夫ミスターのもとに嫁がされて、召使同然の暮らしを強いられるてる状況も1985年版の時のダニー・グローヴァー 演じてるミスターがかなり強烈だったことや、今回はミュージカル場面があることも含めて2023年版はかなり緩和されてたように感じました。ですが、馬に乗ってる姿などは今回のコールマン・ドミンゴ演じるミスターもいい感じにそっくりだったなと

 

ハリー・ベイリー演じる妹のネティも父親からの性暴力から逃れるためにセリーの家に転がり込むといった点では、2023年版も最初は姉妹が一緒に暮らせた安心感もありました。ですが、ミスターはネティを追い出してしまうところは今回もかなりショッキングでした。かなり追い詰められた感じも今回は同じくらいに強烈に思えました。ですが、ミスターは優しさ部分などもあったかもと。

セリーが型破りな生き方の女性たちとの出会いや、交流を通して自分の価値に目覚めたセリーが不屈の精神で人生を切り拓いていく主張は、基本的に今回も心に響きました。ミュージカル場面は斬新でした。やはりこうした場面があるからガラっと変わってたかもと。ですので、ミュージカル場面での感動部分はありましたが、ついに再会しての姉妹がかつての遊びをついにできる前回版のいいところなどやっぱり違いもあり、ですが今回のもいい部分は多々ありました。

 

あらゆる意味でミュージカル映画というショッキングさが印象に残る革命的なリメイクミュージカル映画でした。

 

876点 歌って踊ってモヤモヤ解消もドラマ部分との切り離しが難しポイント 8.7点