やはりどこからどう見ても感覚の映画だなであり、淡々とした映像表現の中にも人生の真実はあるのだなと。何といってもバス・ドゥボス監督の独特の雰囲気と視線があったからこその世界観だったなと。バス・ドゥボス監督の年齢がだいたい40歳ぐらいという年齢からか、懐かしい感じの映像感覚の部分と新しい斬新な部分が垣間見えて、そういった部分も含めて今までにないものを感じました。

 

ベルギーの首都でありますブリュッセルに住む建設労働者のシュテファン・ゴタ演じる男性シュテファンがは、アパートを引き払って故郷ルーマニアに帰国するか悩んでいるところはかなりリアルな雰囲気で画面に引き付けられました。もうちょっと色々な情報があったらなと思うところもありました。冷蔵庫の中身を一生懸命片付けようとしている様子に対しては色々と思うところがありました。

 

外で雨が降っている時のカフェの場面なども印象的でした。ベルギーのブリュッセルをとらえたカメラワークにはかなりインパクトがあり、街の事などを色々と知りたいという思いにかられました。バス・ドゥボス監督の表現力があってからこそ、こういった物語も構成されるのかなと感じました。木のざわめきや、緑の葉っぱのの色彩感覚などの自然を観察することの素晴らしさも画面からひしひしと伝わってきました。

 

苔の観察をしている場面なども興味深く見ることができました。手作りスープを渡すなど、やはりスープに関しても色々と気になる事が多々あったなと。音楽がやはりかなり心地いい感じでこの世界観に合ってたなと。この世界に引き込まれるような感覚は、まさにこの映画の独自の映像感覚と音楽センスがあってからこそだなと。ルーマニアに帰国する前に色々と友人を訪ねるシュテファンの気持ち部分もかなり興味津々でした。

 

リヨ・ゴン演じるシュシュの苔の観察場面もかなり心に残ってますし、電車の場面もとても心に残ってます。シュテファンがシュ
シュと森の中にいる場面もまるで時は止まったような感覚であり、とても不思議なものをものすごく感じました。この瞬間にこの場所で生まれる偶然の産物があり、ある意味それは運命ではないかと思うう分もあり感慨深かったです。森林には小さな宇宙が存在するというコンセプトもグッドでした。

 

中国系ベルギー人の女性シュシュは苔類の研究者であり、シュテファンはシュシュに促されて多様で親密な世界に触れたのちふたりの心はゆっくりとつながっていくという展開もかなりゾクゾクしました。あらゆる意味で不思議感覚映画の貴重な映画と実感
です。 

 

865点 不思議なつながりがもたらす空間の広がりこそ大切ポイント 8.6点