深川麻衣が安希子役を懸命に演じようとしてるのはよくわかりました。ですが元アイドルの安希子の人物像がちょっと…。正直甘え過ぎなのかなと思うところもありました。正直思ったほど苦労してなくて、自分自身で苦労し過ぎと思っているのか…。家賃5万円で風呂なしといってるだけで、すでに贅沢感がぬぐえてないなと…。アイドル時代の映像などが出てこないのは逆に良かったかもと。

 

幸せで充実した人生を歩んでいると自分自身にに言い聞かせながら日々の仕事に励んでいるというところなどの女の子らしい部分は好感持てました。正直言いますと、この程度で人生詰んでるのかよと思うところも多々ありました。ある日の通勤途中にヒールが道路の隙間の穴にひっかかって、駅で突然動けなくなってしまう場面はかなり衝撃的でした。相当へこんでしまうなと。

 

メンタルを病んでしまって会社を辞めることになった安希子の仕事なし+男なし+手残り残高は10万円という厳しい現実に直面するところも、こちらからしましたら10万あるだけまだましだろうと思ってしまいました。世話を焼いてくれる近しい知人から都内の一軒家でひとり暮らしをする56歳のサラリーマンとの同居生活を提案されるというのは予想通りだったなと。背に腹は代えられませんので…。

 

予想外の提案に戸惑いながらもヒロインはその中年おじさんとの奇妙な同居生活を始めるといった部分は面白いのですが…。本人的にはかなり堕ちた状態で、どうしようもない状態かと思ってるようですが…。1投稿が1000円の記事を書いてる事もそれほど必死に感じには伝わってきませんでした。SDN48で作家の大木亜希子が著した実録私小説といった点ではリアルさもあるといえばあるのですが…。

 

やはり本当の悲惨さはこんなもんではないと思うところも多々ありましたが、元乃木坂46の深川麻衣と井浦新のキャスティングはいい感じと思いました。本当の崖っぷちだったら、もっと過激な事をと。井浦新演じる中年おじさんことササポンは離婚したということもあり、同居人に何も求めない姿勢は納得できました。 「月極オトコトモダチ」で長編映画監督デビューを果たした穐山茉由監督作品であり、女性監督視点なのはいい感じでした。

 

当時56歳で都内の一軒家で一人暮らしをするサラリーマンとまさかの同居という触れ込みだとかなり過激で凄いものを想像しつつ期待してしまったのですが…。奇妙な同棲生活ぶりはリアルに感じてよかったです。不思議な存在でありますササポンとの同居生活をしていく中でアラサー女子の安希子が徐々に日常を取り戻していくという点でも本来ならもっと喜びあってもいいのですが…。あらゆる意味でプライドの高さばっかりが気になってしまう映画でした。 

 

840点 出会いと別れを繰り返して成長していく事が大切ポイント 8.4点