チャプターがあり、オープニングからすぐに次のチャプターが来るので、この映画はどれだけ細かく分かれてるのかと思いきや、結果的にはチャプターは8までだったなと。こういった会話で構成されてる掛け合い映画は、間合いやタイミングがかなり重要だとは思いますが、そういった点ではかなりハイテンポでダレることなくうまく見せてたなと思いました。登場人物もほぼ5人であり、主要なメンバーに限っては4人であったので、正直思ったより見やすくてわかりやすくて混乱しませんでした。

 

ですが、一つの場面を会話でずっと持たせてるのは凄いのですが、やはり途中から飽きてきてしまうような感覚に陥るのは仕方ないかもと…。相手の言葉尻をとっての会話つないでの相手責め的な会話形式も面白くはあるのですが…。やはり映画だからこその好きという気持ちは行動で見せてほしいなと思うところもありました。始まりのボーリングをしてる登場人物の紹介見せ方映像はとってもいい感じでした。

 

莉子演じるむっちゃん、 筧美和子演じるグリコ、中島歩演じるベンジー、綱啓永演じるモーが主要の登場人物ですが、キャスティングは絶妙だなと思いました。グリコがむっちゃんにお出かけを打診してるところでの、友達がいないのは納得だとグリコが否定的に言い切ってしまうところなどは気になりました。美容院仲間という設定や、音楽関係者という設定はいかにもといった感じでおしゃれな雰囲気はありますが、やはりどうも感情移入しづらかったなと…。

 

ベンジーの会話のテンポや言い方はまさに中島歩の真骨頂であり、返答に困っているもどかしさ表現もかなりリアルではありますが…職人芸で面白くはありますが…。男女兼用のトイレ待ち場面の会話はリアル過ぎで逆に引いてしまうかもと…。むっちゃんとモーは納得いきますが、クリコとベンジーの好きベクトルはかなり強引のように思えました。みらん演じるナカヤマシューコの関西弁はかなり斬新で好感でした。

 

グリコが一度行って、お金を置いたまま出てってからまた戻ってくるカフェでの場面にて。キャンディーコーヒー漬け会話する女性店員の相手の言葉尻りとりのところもかなり気になりました。テーブルで4人会話での展開で、好きな人が右隣にいる席座り直しアイデアや、ベンジーの長嶋茂雄やキャプテン翼の石崎くん例えセリフなどはとても興味深く見れました。4人会話の途中での停電場面での指を差したか差してないかというところはかなり真実だったかもと。

 

サッカーのワールドカップを観戦中という設定もリアルに思えました。あらゆる意味で若者会話劇の新しい風の映画と実感です。 
 

876点 巧妙な会話の中から見つかる真実の気持ちポイント 8.7点