オープニングから日露戦争の話や、二百三高地での戦いなどをわかりやすく解説していてよかったなと。山﨑賢人演じる杉元佐一と山田杏奈演じるアシリパのキャスティングはなかなかでした。雪の中の風景などがとても寒々しくてリアルだったなと。今思いますと、日本人は終戦を迎えるまでに世界中の暑いところでも、寒いところでも戦えるだけの軍備や、兵器や、根性があったのだと思い、そういった点でも見習うべき点は多いなと思いました。

 

1904年は明治37年で日露戦争の真っただ中であり、自身の父方の祖母が生まれる2年前だと思いますと感慨深いものがありました。日露戦争で不死身の杉元と呼ばれた男が、日露戦争の帰還兵となって帰国後に不死身の杉元という伝説の存在になってたという部分もとても興味持てました。杉元佐一は戦死した泉澤祐希演じる親友の剣持寅次の妻である高畑充希演じる梅子の眼病を治す費用を稼ぐ事を決断し、北海道で砂金を採っていたという展開も納得できるものでした。

 

マキタスポーツ演じる酔っぱらいの後藤竹千代からアイヌが秘蔵していた金塊の話を聞かされる場面はかなりゾクゾクしましたたし、クマの存在をここまで身近に登場させてて驚異的でした。杉元佐一と矢本悠馬演じる白石由竹が寒い川の中に入る場面はかなり気の毒に思えました。地図を刺青として体に描いて網走刑務所から脱走させるアイデア部分もよかったなと。小樽で杉元佐一が刺青の人間を温泉で探るころも面白かったです。

 

アイヌが密かに貯めた金塊をある男がアイヌたちを皆殺しにして強奪した筋立てもいい感じでした。杉元佐一とアシリパとの出会いや、事情説明や、目的の事や、殺しをしないという約束部分もうまく描かれてて印象的でしたし、矢本悠馬演じる白石由竹がうまくキーワード人物になっていてグッドでした。後藤竹千代が伝説の囚人の話をした後にクマに殺されて、実は当人もそのなかの1人だと判明するところもわかりやすくてグッドでした。

 

次々と襲ってくるクマもうまく見せていて、かなり迫真でリアルでさすがだなと。第七師団の男に伝説の杉元とばれたために、結果的にはずみで殺してしまうところなどもかなり衝撃的でした。杉元佐一がアシリパに連れられてアイヌの集落に行くところもかなり衝撃的だけどわかりやすく、金塊の奪い合いを止めるアイヌ人のアシリパの家族の気持ち部分も納得です。娘の存在大きいなと。

 

後半の畳みかけるような追手の師団との戦い部分や、駆け引き部分もかなり興味を持って観ることができました。杉元佐一が戦死した親友の剣持寅次の妻である梅子の眼病を治すエピソードを後半に出してきてうまく見せてたなと。玉木宏演じる鶴見篤四郎のアブノーマルぶりも面白かったです。あらゆる意味で娯楽エンターテイメント映画の傑作と実感です。 

 

888点 続編もあるぞと思わせぶりなラストもあっての展開期待値マックスポイント 8.8点