やはり少年ジャンプ系が原作のアニメや実写などの映画などは人気コンテンツになる確率はかなり大きいのではと感じました。テレビアニメ「SPY×FAMILY」の劇場版でありますが、事前にヒット確実と思われるくらいの話題の作品だったのは間違いなかったなと。ある程度の設定は観る前に多少必要かなとは思いますが、あまり詳しく知らなくても十分楽しめる作りになっててよかったです。

 

実際の親子でない、訳あり家族という部分や、アーニャが超能力者という部分は必要だったかなと。スパイの父親のロイドと、殺し屋の母ヨルと、超能力者の娘アーニャのほぼ主要3人で構成しててグッドでした。アーニャがお菓子作りで苦労している場面は愛嬌あってよかったなと。アーニャが通うイーデン校で優勝者にステラが授与される調理実習が実施されることになった過程もいい感じでした。

 

アーニャの愛くるしいキャラクターや、未来予知犬ボンドとの絡みも含め、スパイとしての緊張感も残しつつも家族の絆部分も描いてて好感を持てました。家族でお出かけするところは一見ほのぼのとしてるようで、かなり重要だったというギャップ的なところもこの映画の世界観そのものだったなと感じました。原作者の遠藤達哉が監修とキャラクターデザイン原案を手がけたオリジナルストーリーという部分で、やはり気合の入りようや特別感はあったなと。

家族旅行の途中に列車内でアーニャが怪しげなトランクケースを発見し、鍵を使ってスパイもどきでトランクを興味本位で開けたらチョコレートが入っていて、トランクケースの持ち主が戻って来てしまいったときに驚いた拍子にアーニャは誤ってそのチョコレートを飲み込んでしまうところの場面づくりとその後の展開もうまく展開されててかなり入り込めました。ヨルがロイドは浮気をしてるのでは?というスタートもわかりやすかったです。

 

基本は世界平和なのだなと。インチキをしている射的屋のからくりを見破る場面も印象的でした。ロイドが相手のボスにアーニャのために作ってもらった限定スイーツを強奪されてしまい、食材の中の砂糖当てするところもかなりスリリングでよかったです。チェリーの食材を求めて紆余曲折で奔走するような後半の部分もかなり面白くてわかりやすくてよかったです。本当なら本物の家族ではない仮の家族の結束が固まる過程がグッドです。

 

あらゆる意味でスパイファミリーをさらに確固たる人気に押し上げた名実ともに充実の人気娯楽映画と実感です。

 

888点 アーニャの天真爛漫ぶりこそが全てに通じるポイント 8.8点