栗形螺鈿完成・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

昨年11月にご依頼を頂き、
12月から製作していた栗形螺鈿が完成しました。
今年初の納品となります。


日本刀朱塗りの鞘に取り付けてある黒呂色塗りの栗形に
青貝粒(アワビ薄貝の粒)を貼り付けております。

アワビ薄貝には赤、紫、黄などの色味もありますが、
その中から青味の粒だけを選り分け、
正面から見て輝くよう向きを揃えて貼っております。


この御鞘は全て漆塗りということもあり、
当然ながら螺鈿も漆で貼り付け、
最後は摺漆を施して磨いております。


到着時の写真。
栗形は黒漆塗りの状態で綺麗に磨かれておりました。


お客様へ製作前にお送りした青貝粒貼付シミュレーション。
事前にイメージをお伝えするために作成しました。


粒の大きさを当方で言うところの3号に揃え、
青味のものを選んで漆で貼り付けます。
写真は貼り終えた状態を撮ったものとなります。


次に、螺鈿粒を固定するため
接着用の呂瀬漆を純テレピン油で希釈して含浸させ、
よく乾燥させます。


そして、何回か黒漆を上塗りします。


あとはペーパーの番手を上げながら
螺鈿をしっかり研ぎ出します。
最後に摺漆と磨きを数度繰り返し、
写真のように磨き上げて完成となりました。


鞘全体の清掃チェックを終え梱包完了しました。
明日発送致します。

明後日にかけて日本列島全体が冬型の気圧配置が強まり、
暴風雪もありそうですが何とか無事に届きますように!
配送スタッフの皆様、よろしくお願い致します~。 

 

ご依頼主様、この度はご注文頂きまして
まことにありがとうございました。