当工房では、(株)三越伊勢丹プロパティ・デザイン様よりご依頼を受け、東京都杉並区の国指定史跡「荻外荘(てきがいそう/近衞文麿旧宅)」応接室に設置される家具の螺鈿装飾と漆塗りの製作を行っておりました。
*螺鈿の材料には夜光貝を使用しております。
貝殻から直接切り出した材料を曲面に加工するなど、
製作には幾つもの高いハードルがありましたが、
1年以上の期間を経てようやく完成に至った次第です。
ご協力頂いた方々に対し心より感謝申し上げます。
設置された正方形テーブルと椅子四脚の様子です。
螺鈿が随所に象嵌されています。
壁際に設置されたコンソールテーブルです。
こちらは漆塗り工程のみ対応しました。
椅子単独で撮影された写真です。
脚前方にも多くの螺鈿が散りばめられています。
荻外荘応接室の全体写真です。
部屋全体が中国風の美しいしつらえとなっております。
荻外荘は、大正天皇の侍医頭などを歴任した入澤達吉の依頼により、築地本願寺や明治神宮等を手掛けた著名な建築家である伊東忠太によって建てられ、その後、戦前に3度内閣総理大臣を務めた政治家・近衞文麿に譲渡され、昭和前期の政治の転換点となる重要な会議が数多く行われた場所です。
数年をかけて復原事業(再移築等)が行われておりましたが、
2024年12月9日からは一般公開となっております。
お近くにお越しの際は、ぜひご覧頂けますと幸いです。
▼杉並区ホームページ 『荻外荘 復原・整備プロジェクト』
https://www.city.suginami.tokyo.jp/kyouiku/bunkazai/tekigaiso/fukugen/index.html
▼『荻外荘公園』
https://ogikubo3gardens.jp/tekigaiso/
※掲載写真提供:株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザイン