鞘塗り蒔絵④ 梨地粉蒔き・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

鞘塗り蒔絵は、本番作業の第3工程「梨地塗り」へ。。。
今回は梨地粉蒔きであります。

絵柄の背景になる部分を、
少し濃い飴色でありながらキラキラと光る「梨地塗り」にします。
具体的には、梅鉢羽紋のフレームと松葉が該当する部分ですが、まずは粉を蒔く工程から開始です。


さて、最初は梅鉢羽紋から。。。
上から羽の絵柄が入る丸フレームのベースに研ぎ出し梨地漆を塗ります。


梨地粉を蒔き終わった状態です。
ビッチリと贅沢に蒔いております。
ほとんど見えなくなる背景にしては、かなりリッチな感じです(^^;

この丸フレームについてはテストで色々と試しましたが、一番細かめの1号粉で密に蒔くのが良いという結果に。
上から絵付けする羽の絵柄がこれまたビッチリと描かれるため、その隙間から見える金粉は細かく密な状態が良いと考えた次第です。


次に松葉にも梨地粉蒔きを。。。


こちらが蒔き終わった状態です。
梅鉢羽紋のフレームと比して、少し密度を下げました。


そしてこれが大事な作業!粉押さえの作業です。

タイミング良く慎重にやらないと失敗する作業なのですが、、、
金粉を蒔いた後、漆の乾燥が更に進み程良く粘度が高まった段階で、押さえ紙で金粉を丁寧に押さえてあげます。

この作業によって、鋭角に立ち上がった梨地粉が平板に押さえ付けられて定着します。

もしこの作業をしないとどうなるか、、、
乾燥後の粉掃いや、上塗り後の研ぎ出し時に梨地粉が取れてしまい、剝げた所があちこちに出来てしまうのです(~_~;)



乾燥して粉掃いが終わった梅鉢羽紋フレームです。
きっちり蒔き付けられましたね。
まずは一安心ですが、、、今後も油断は禁物です。


松葉もしっかり乾燥して粉掃い。
こちらもひとまずOKです。
イメージ通りの程良い粉密度となりました。

さて、次はこの蒔いた梨地粉の固め作業です。
つづく。。。