また新たな修理ご依頼品=和櫛が届きました。
現在当工房では修理品を幾つか抱えておりますが、この御品もしっかり修理して行きたいと思います。
螺鈿で車紋様と花や葉があしらわれている櫛です。菊の花が取れており、他にも幾つか花弁や葉の螺鈿が欠損しているようです。黒漆が塗られておりますが、螺鈿も含め全体的にもかなり劣化が進んでいます。
まずは螺鈿が剥がれた箇所を水で濡らして確認。。。なにか溶けて来て綿棒が黒くなりました。どうやらに何らかの黒色成分が入った膠のようです!
これは膠がだいぶ経年変化して接着力が落ちているようですね。水で直ぐに溶けてしまいます。
あっさり溶けてベースのフラット面が出て来ました。しかし、周囲で固く付着している部分あり。カッターで削って見ますと、、、
これは漆のようですね。。。
製作当時、螺鈿が膠で貼られた後に、周囲に上塗りされた黒漆が螺鈿の裏側に回って固まったもののようです。
全体的にかなりの付着物、汚れがあることも確認。これは、最初にクリーリングしてから修理する必要がありますね。
さて、これからこの御品もしっかり修理、補強して参りましょう。綺麗に仕上がりますように!(^.^)