螺鈿硯箱の修理⑯ 完成・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

長期間を要した螺鈿硯箱の修理が完了しました。
所々中断を挟みながら、ようやく完成した次第です。

☆本日夕方発送~明後日のクリスマスイブにお客様の元へ届く予定です。


完成した様子です。
まずは斜め右方向から。


左斜め方向より。


蓋=上面の様子。


引き出しの付いた正面の様子です。
苦労したお花=No.4グループの螺鈿も
何とかここまで出来上がりました。。。


左側面です。


右側面です。

その昔、最初の製作において膠で接着されたこと、
そして、一旦何らかの接着剤が使われた補修が入ったことが、
今回の修理に苦労した要因となりました。

欠損螺鈿も大小様々あり、
色味や輝きの合わせに腐心しましたし、
経年変化の表現や、修理の過程で欠損や劣化した毛打ち=金線の補修も
この2週間ほどで工夫しながら対処した次第です。


お花螺鈿の毛打ち=金蒔絵の輪郭線補修の様子です。


金消し粉を蒔いて、、、


プチプチと穴を開けて、、、経年変化=エイジング表現を。
やはり、こういう手間をかけないと、
新しく補完したものは既存の様子に馴染みませんもんね(^^;

修理した螺鈿や金線は、全て仕上げの段階でエイジング加工を施しました。


修理前の一枚=お花螺鈿。
過去の修理で違う場所に貼られていた螺鈿もあり、
もう大変な状況でしたが、、、(^^;



これでやっと納品となります。
お客様がご満足頂けるよう願うばかりですが、
出来る得る限りのことはさせて頂いたと思います。

あとは無事にお客様の元へ届きますように。
(冬将軍が来ておりますので)

ご依頼、誠にありがとうございました!
良いクリスマスを!