螺鈿硯箱の修理は、いよいよ最終段階へ入りつつあります。
螺鈿自体の再接着、補完が完了し、
これからは表面的な仕立てがメインとなります。
全体の色調を合わせるため、表面に付着した摺り漆や汚れ、僅かに残っていると思われる膠をカッターで慎重に削り落とします。
毛打ちの金線や特徴的な幾つかの汚れは残しながらの作業になりますので、たいへん気を使いますし、時間も数日を要しました(^^;
難しいNo.4の螺鈿も、、、
茶色の表面が削られて、白くなりました。
次に、傷などをわざと付けるエイジング処理を。補完した新しい螺鈿に、ニードルと定規を使って既存螺鈿から続く直線的な深い傷を入れます。
こちらはフリーハンドで、ランダムに入った傷を入れますが、、、ともかく既存螺鈿に似せてやることが肝要です。
そして、、、胴擦り粉と綿棒を使って表面を磨きます。膠らしき付着物も、最後にはこそぎ落とされてクリヤーになりました。毛打ちの金線が思いの外強く付着しており、摩耗せずに残り気味となり、作業しやすく助かりました(^-^;
最後は指にも胴擦り粉を僅かに付けて、螺鈿を全体的に優しくなでるように磨き、表面処理が完了。
次の工程は、毛打ち(金線)の補修となります。これからいよいよ仕上げ感が出て来る段階に入り、徐々に苦労が報われた感じになって来ますね。
つづく。。。