螺鈿硯箱の修理⑫ 螺鈿貼り付け・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
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螺鈿硯箱の修理作業は、これから接着する螺鈿の裏側に塗った漆(裏彩色)が5日程経ってようやく乾いて来ましたので、いよいよ螺鈿貼り付けを行うことに。。。


まずは、先行分の一ヵ所を。
先に貼っておくと、他の面の螺鈿貼付がしやすくなりますので、まずはこの葉っぱ螺鈿を貼ります。貼付箇所に接着用の白漆を均等に大枠でヘラ付けして行きます。。。

前回も書きましたが、この白漆は本当に粘り気が強く、平筆では平滑に塗れないものですから、ここは小ヘラを使用です。

また、このような螺鈿接着においては、呂瀬漆という生漆と黒漆を半々に混ぜたものを通常使いますが、今回は出来るだけ白色を立たせたいので、あえて螺鈿の裏彩色に使ったのと同じ白漆を使うことにしました。


ヘラ付けで対応できない貼付箇所の縁は、、、
このように蒔絵筆で丁寧に塗ります。


さて、この先行分として塗った白漆、乾燥するのにかなり時間がかかるのですが、、、この前に裏彩色で塗った時、半乾きになるタイミングが約10時間。


そして、ようやく5日経ってほぼベト付きが無くなりました。

しかし、ここ数日更に寒くなってきました。ということは、接着するタイミング=半乾き状態になるのは更に遅くなる可能性が!たぶん14~16時間ほどではないかと見ていますが、果たして、、、(・_・;)

つづく。。。