螺鈿硯箱の修理⑩ 欠損螺鈿の製作その2・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

欠損部の螺鈿パーツ製作に入っている螺鈿硯箱。。。

大小様々な形が失われており、数も結構多いため、
思った以上に時間がかかっております(^^;


小さいパーツ製作の様子です。
爪を少し湾曲させた形にカットし、、、


このように爪でガッチリとパーツを押えて削り、微調整。


補完パーツと欠損部の形をよく比較しつつ微調整を繰り返し、、、


やっとピタッとハマりました。



上蓋天面の欠損部は全て完了!
次なる箇所は、、、最大の難関=箱正面のNo.4グループです(^^;

やはり、、、ここは特徴ある模様であるためか、輝きや色味が合うものが中々見つかりません!またしても数百枚の材の中から探すこととなりました~(^^;


何とか3枚の候補を選び出し、2パーツを作ってみましたが、、、その内の一つが、だいぶ納得できるものとなりました。


収まりがわずかに悪いので、早速微調整。
直線部分ではみ出たところもカット目を入れて、、、


ヤスリます。。。


ここもピタッとOK!


しかし最大の難所が次に待ってました!
この上部パーツ、、、周囲の既存螺鈿は濁っている材が使われておりますが、この輝きの無い濁り部分というのは、真珠層との絡み方が実に様々で薄貝によって様相がかなり違っております。
従って、200枚程度の在庫があったとしても、似たものを見つけるのことはほぼ不可能なのであります!(;'∀')

しかし、出来る限りのことはしたい、、、ということで、ある程度似た雰囲気の濁り材を6枚程ピックアップし、作っては確認~を繰り返した結果、、、


結局、同じ形状を4つ作ることになってしまいました!(^^; しかし、最後に作ったパーツ(写真にて欠損部にハマっている螺鈿)は、何とか許容範囲の仕上がりになるものと期待しております。


さて、最大の難関を何とか乗り越えて、あとは中小パーツを6点程作れば補完は完了となります。もうひと踏ん張りしましょう!

つづく。。。