新作鞘塗り⑮ 鯉口・鐺の接着・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

さて、下地も最終段階に入って来た新作鞘塗り。
しかし、最後の下地=仕上げ錆付けをする前にする作業が!

鞘の刀身挿入口に付ける鯉口と、鞘の先端に取り付ける鐺、
この二つのパーツの接着であります。

鞘肌の高さと、この両パーツの高さをほぼ合わせる必要があり、
(実際は0.1~0.15mmほど鞘肌が低くなるようにしますが)
最後の錆付けの時は、このパーツがはまっていた方が合わせやすく、
いつも作業前に接着しておくようにしております。


切粉地の時に鯉口を一旦はめてみましたが、、、
あ~やはりきつくなってて全部はハマらない!(;'∀')

これは下地や環境の影響なのか、
鞘木地や鯉口がわずかに膨張・変化するためと思われます。


ということで、鯉口の嵌め口や木地を研磨調整。
とてもデリケートな部分ですので、最高度の慎重さが必要!
けっこう時間がかかります!!(;'∀')


あ~やっとピッタリとハマってくれました(^^;


鐺はそこそこの調整でハマってくれるのですが、
それでも時間がだいぶかかりました。


次に、接着剤の麦漆づくり。。。
強力粉を練り練りして、小麦粘土を作ります。
耳たぶくらいの柔らかさのミニボールに~(^.^)


そしてこのミニボールに生漆を混ぜてまた練り練り。
適正量混合に到達すると、このように
ねっちゃ~~っと糸を引く様になります(笑)


これを鯉口接合部分にベッタリと、、、


鐺部分にも同じく、、、
☆まるでキャラメルかチョコレートのようですね(^_^;)


押し込んで力強くグー!!


鯉口にもしっかり押し込んでピッタリと~
そして余分な麦漆を拭き取って、、、
無事に接合完了です!

両パーツとも、鞘木地の補強の意味もあり、
特に鯉口は刀身を挿入して留める部分ですので、
この接着作業には最大限の配慮が必要です。

接着剤の麦漆は、最深部が中々乾きませんが、
室に入れて2~3日乾燥させ、
まずは接合表面~中間部までを硬化させましたら
両パーツがある程度固定されますので、次の作業に移れるでしょう。

つづく。。