新作鞘塗り⑦ 布目揃え・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

もう7月も終わり、、、それにしても、今年の夏は本当に暑いですね!
こういう時は、ともかく体調管理には気を付けんといかんです。
コロナも流行っていることですし。。。(^^;

さて、鞘塗りの方は布着せの真っ最中。
昨日は鞘の前面(表側)に布を貼りまして、
一晩乾燥させてから、本日布目揃えをしました。
その模様をアップします~。


先日、鞘の背面(裏側)に貼った絹布(けんぷ)。
しっかり乾かした後に、はみ出たところをカットします。


前面との境界線も綺麗にカット!
前面はマスクしていましたので、その境目をキッチリと出します。


そして今度は逆に、背面に貼った布をセロハンテープでマスク!


糊漆を作って、、、前面を貼ります。
※背面貼りの時に比べて室温が何度か高かったせいでしょうか、、、
 糊漆の乾燥が相当早くて苦労しました!
 ということで、やっぱり貼付時の写真はナシ!!(^^;


そして本日、、、前面の布もしっかり乾燥しましたので、
背面の布と重なっている部分をカットして取り除きました。

このような布の重なりで盛り上がった部分を
小刀等を使って取り除くことを、漆芸では「布目揃え」と言います。
布が重なったままですと、後々の下地作業に悪影響が出ますので、
取り除いておくことが肝要なんですね。

但し、今回の「布目揃え」では、
鞘の形状ラインに合わせて、布の継ぎ目を真っ直ぐ出したかったので
これまでやったことのない、ちょっとした手を思い付きました(^.^)


マスク用に貼ったセロハンテープの幅は15mm。
前面布貼り後、同じセロテープを上から貼ってこのようにカットしてやりますと、
前面布のハミ出た分(重なり分)だけテープでサンドイッチのように挟み込み
取り除ける~というわけなのであります~(^.^)


カット後の様子。
前面と背面の布の重なりは無くなり、隙間なく貼れた状態となりました。
これで「布目揃え」が完了です!

継ぎ目の部分は、絹布が浮いている所が無いか綿密にチェック。
不備が見つかれば補修をして、乾燥後に研ぎを施し布着せが完了となります。


今回の漆下地はフルスペックの「本堅地」。
まだまだ何段階もの下地作業が控えています~。

つづく。。。(汗)