螺鈿三段箱の修理⑧ 錆削り・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

ようやく穴埋め、傷直しのための錆付けが完了。

その固め作業までが終わりまして
本来であれば、錆をちょっと研いでから中塗りへ~なのですが、、、
既存の塗りに負荷をかけないよう、もう一手間かけます~。


こちらは穴埋めが完了した箱正面の三段目。


補修箇所の錆が、均一に塗り厚分凹んでいるよう
ニードルで丁寧に錆を削ることにしました。


このようにしておけば、中塗り後の研磨が楽になり
周囲の既存塗りを傷めるリスクも減ることでしょう。

補修箇所の塗りの厚みは、、、
そうですね~補強の意味も込めて厚目にしたいので
0.2~0.25mmの深さに錆を削っておきましょうか。。。

螺鈿を貼るところもありますし、
特殊な貼り方になる可能性もあるので、少し深めに~。


箱正面の一段目。
ここは良く目立つところなので気を使います。。。


削りが粗方完了し、穴の周囲にまだ残っている錆などを
既存塗りが傷まないよう丁寧に#3000のクリスタル砥石で研磨除去。


上塗りすることにしている箱の底面や小口は、、、
ペーパーで丁寧に空研ぎです。

螺鈿補修は、まだ先になりそうで、
傷直しが大枠完了してからにしておりますが、、、


こちら上蓋で取り外した松葉?の螺鈿は、、、
ちょっとバラバラになり過ぎで。補修がかなり目立ちそうです(^^;
もう取り換えということにしましょう。


さて、ここまでが修理の前半戦で、これから後半戦へ。

今まではひたすら地道な下地作業で、我慢強さが必要でしたが、
これからは修理の結果が目に見えて分かって来ますので
きっと楽しくなって来ることでしょう!(^.^)

つづく。。。