エジプトのハトホル神殿の天井画は近年修復されて水色が映え、美しくなりました。帯状の天井画にヌト女神や黄道12星座などが描かれています。

 

古代エジプトの年始と豊穣の印は何といってもシリウスのヒライアカルライジングです。壁画の牡牛の頭上に大きな日輪がありますが、これが壁画に描かれたシリウスの位置です。

 

紀元前30年頃はすでにメソポタミアの黄道12星座とエジプトのデカンが融合しています。ハトホル神殿の12星座を帯状に描いたものは、その融合した知識を使っています。但しシリウスの位置から天体配置はより古い時代のものと思います。

 

 

古代エジプトのデカンは2種類あります。

 

より古いものは地平線を基準にした10分角です。実際の観測が元です。このデカンは暦と時計に使われました。木棺や王墓の天井画や壁画に描かれました。

 

シリウスは実際のところ太陽から大分離れて見えます。

 

古代エジプト人はシリウスが長い年月をかけて東南から東に向かって移動していることを知っていました。イシス女神が太陽神ラーを慕い、年々ラーに近づいているといった話がどこかに残っています。

 

シリウスの黄道座標は太陽とはかなり離れています。

 

 

私が教えている通信講座の課題にもあるので、解説はこのぐらいにしておきましょう。