7月になりました。今年の夏は「観測史上1位」という、昨年を上回る暑さになる可能性が指摘されています。私も涼しい姿で過ごしたり、水分補給をこまめにするなどして活動に励みたいと思います。同時に、次世代のためにも地球温暖化対策を加速させなければと感じています。
 次世代に関する指標として、厚生労働省が2023年の人口動態統計を発表しました。1人の女性が産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20となり、8年連続で過去最低となりました。千葉県における数値は1.14で、前年から0.04ポイント下落し過去最低となりました。
 死亡者が増える一方、生まれてくる子どもが少ないため、合計数として日本の人口は減少しています。毎年80万人以上の自然減が直近の傾向値となっており、山梨県に住む人全員が毎年いなくなっているイメージです。保育士や教師、ドライバーや自衛隊員など多くの場所で人手不足が深刻化しています。
 素晴らしい施設や便利な道具があったとしても、それを使いこなす人間がいなければ意味がありません。だからこそ少子化対策が極めて重要なのですが、もう「少子化を止めなければ」という段階は既に過ぎており、人口が減っても維持できる社会的システム作りを迅速にするべき状況になっていると思います。必要なのは不安を煽ることではなく、いかに悲劇を減らし、軟着陸させるかだと理解しています。
 国が示す昨年時点での将来人口推計では、50年後の2070年における日本の人口は8700万人と予測されています。私はこの数字を土台に「本気の少子化対策によって1億人程度の人口を維持すること」を目標にすべきだと考えます。出生率が1.7となれば実現可能な目標です。岸田総理は「異次元の少子化対策」を掲げながら、具体的な数値目標については明言していません。施策効果を検証するために数値を明確化しなければ、非効率な財源利用を招く可能性が生じます。民間企業出身の私からすると本気度が感じられません。
 少子化対策の要である、望む人が結婚できる社会を実現するためには、若年層の可処分所得を増やすことが大切です。そして子育てに奮闘するお母さんお父さんたちを、もっと尊重する政策が必要です。未婚の若者は少し上の既婚の先輩を見て将来を考えるからです。少子化対策も経済対策も、その政策の対象者となる人間が携わってこそ、実行力があり手触り感のある政策になるのだと考えます。
 例えば、病気や病み上がりなどで登園できない子供を、保護者の代わりに専門の保育士が預かる病児保育の充実を図ること。その他、育児休業を取得する社員を職場で支える同僚に対して、特別手当や昇給を準備することなどを国の施策として考えるべきです。令和時代の若者たちは共働きが主流です。この世代の子育てに対する心理的不安を取り除き、仕事を断絶させない政策が求められています。