先週と今週の2週間、選挙区内の梨農家さんへボランティアに行っています。千葉県は「収穫量」「栽培面積」「産出額」全てが全国トップという、梨の三冠王の県であることをご存知でしょうか。また船橋では「ふなっしー」、市川では「市川梨丸」が有名であるなど、私たちが住むエリアと梨の関係は深いからこそ、現場で学びたいと考え志願しました。
 具体的には、受粉に必要な花粉を集めるために、梨の花摘みをしています。15年ほど前までは、収穫の順番とは逆に、新高→豊水→幸水の順に、3週間程度の緩やかな期間の中で徐々に花が咲いていたようですが、温暖化の影響で、花が咲くまでの期間が5日間ほどに集中してしまう状況となりました。その結果、農家の方々だけでは集中した期間に全ての花摘みをすることは困難となり、市民にも応援を依頼するようになったという説明を受けました。身近なところにも地球温暖化の影響が出ていることを痛感する出来事でした。改めて、地産地消の推進・置き配選択による再配達の防止・ペーパーレスを意識するなど、自分ができることを一つずつ取り組もうと考えました。
 休憩時間に皆さんとお話しすることも学びとなっています。日本の農業全体で考えても、農業者の減少・高齢化等の課題に直面しています。農業を主な生業としている基幹的農業従事者の数は、2012年の178万人から2022年は122万人と3割以上減少しています。人口減少のペース以上に従事者が減っているということは、政策の失敗に他なりません。これらの現状を改善するため、「食料・農業・農村基本法」改正法案が岸田総理によって国会に提出されましたが、期待はずれでした。なぜなら「戸別所得補償」についての記載が無かったためです。
 農業は、食料安全保障のみならず環境保全や災害防止など多面的な価値があります。そのような価値を適正に評価すれば、この国の農業関係者を増やす必要があると考えます。友人と話していても、公共性の高さや自然との共生など、農業と平成生まれには親和性があると感じています。ではなぜ若年層の就業が進まないのかというと、やはり収入に不安があるからです。だからこそ、自民党によって廃止された戸別所得補償(直接支払)制度を復活させ、農業を守り、伸ばすべきです。食の安定・安全性を自国内で確保するのは世界の常識であり、農家所得のうちフランスでは7割、米国では5割が直接支払制度のお金で成り立っています。財源という観点で考えれば、品目ごとの農業政策などの複雑な補助事業を見直し、「農地面積あたりいくら」という単一の直接支払いを実施すれば、農地の集約化や支払いプロセスの効率化に繋がると思料します。また、当地のような都市農業地域に関しては、市民農園の更なる開設に向けた取り組みも進めていくべきだと考えます。引き続き足を動かして、現場の声を直接聞いて、新しい答えを探して参ります。