岸田総理が岸田派の解散を決断し、安倍派や二階派なども同調していますが、派閥の解散だけでは意味がありません。何故なら派閥は器であり、中身の政治家や金権政治システム自体を入れ替えなければ、器を替えても腐敗が止まらないからです。加えて、自民党には危機に陥って派閥を「偽装解散」した過去があることを思い出すべきです。リクルート事件・佐川急便事件で政治不信が高まり、自民党が総選挙に敗北した1994年11月、河野洋平総裁は自民党改革の目玉として「派閥解散」を決め、各派閥は事務所を閉鎖しました。しかし、すぐに各派閥とも名称を変えて「政策集団」という名目で復活したのです。この事実を鑑みれば、今回の派閥解散も単なるパフォーマンスであり、問題を矮小化させようとする魂胆があるのは明白です。
 大前提として「自民党の裏金問題」の全容を把握しなければ、空虚な議論が続くだけです。騙されてはならないのが「政治刷新本部」の前に今立ち上げるべきなのは「実態解明本部」であるということです。裏金を、誰が・何に・いくら使ったのか、何故そんなことをしたのかを主権者である国民に開示すべきです。その理由は「徹底的な原因究明がなされなければ、効果的な再発防止策を講じることができない」ためです。
 派閥の幹部が立件されなかったことに、多くの方が納得していないことを街に立って肌で感じています。しかし議員の場合は立証がかなり難しい場合があります。それが政党支部を迂回した献金だった場合です。例えば、便宜を図った見返りにお金が
「建設会社→議員A」と渡れば違法ですが、「建設会社→政党支部→議員A 」となるとそのお金が見返りであると立証できない限り合法となります。現在、政党支部に献金する場合にだけ企業団体献金が認められているのは、このスキームを守るためなのです。そして議員Bに便宜を図ってもらった場合には、議員Aと混ざらないように別の政党支部に献金をすることになります。その結果「建設会社→政党支部B→議員B」となり、議員の数だけ政党支部が増えていくことになるのです。
 通常、千葉県内の政党支部は衆議院の選挙区と参議院の分で、立憲民主党や公明党などの政党は16前後の支部があります。一方で自民党の支部は、千葉県内だけで160以上あります。他の政党の10倍を超える異常な数です。このことこそ、支部が個々の議員の別財布として機能している証拠なのではないでしょうか。これらは全国民に公開されていますので、是非スマートフォンで「千葉県 政党支部」と検索してみてください。名前だけを見ても利権構造が浮かび上がってきます。
 現在県内を騒がせている、道路事務所が発注した公共工事の入札をめぐる贈収賄事件でも、渦中の建設会社が地元の自民党支部に寄付をしています。利益誘導の政治が続く限り、不正は起こり続けます。政治とカネの問題を引き起こす根本原因は「世襲」と「企業団体献金」です。これらを禁止にすることを掲げ、私は令和の政治改革を推し進めて参ります。