そう、


わたしたち三人は

何も知らなかったんだ。


橘寺が

明日香村にあることも


4月に

奈良にに行こう、となって、


5月に

宿を決めた時

初めて

わたしたちが行くのは

飛鳥(明日香村)なのだと知った。


だいたいが

アスカの表記が

飛鳥

明日香

ふたつあることすらアヤシイ。


初めは、

音、ありきだったのだろう。


そうして

天川村へ行こうとしたとき、

その下市口から

アスカへは

たったの15分で行けることを知ったわたしたち。


次の日に宿泊するというのに、

ふたりの心はアスカに飛んでしまったようにわたしには思えた。


『橘寺に行っちゃおうか?』

など

どよめきあっている。


待てよ

待てよ、

どうせ明日泊まるんだよ。


だけどわたしには

ぜったいに行きたいところがあった。


『石舞台』


これは譲れない。

そして

3人とも行ったことが無い、ということで

ぜったいに行こうね、と約束していた場所…


『石舞台』


ではでは

(初日ですぞ?)

石舞台に行ってしまおうか?


遠足か、修学旅行のように

はしゃぐわたしたち。


まずはスーパーに行って

今晩飲むお酒を仕入れて


それからいざ!

石舞台へ!


まったくもって

位置関係など調べてもいない。


いざ!


いざ!


そおしたら…


え?

『キトラ』ってあるよ!


なんとなんと


『石舞台』の手前に

『キトラ古墳』があったんだね。






キトラ古墳も

わたしたちの行く候補の一つだったの!


ちょうどわたしたちは

こちらの広大な公園の

下側にいたのね。


案内板を追って

歩き始めると、



初めて見る

アスカの風景。


ぽっこりとした

円墳が、



くだんの

キトラ古墳なのだと。



四神相応の壁画!




古墳の棺の四方向に

描かれていたのは、


(画像はお借りしました。)


大陸に由来すると思われる

四神の鮮やかな絵図。


このあと、

敷地内にある

『キトラ古墳壁画体験館“四神の館”』

行きました。


ここでは

古墳の内部の体験ができるのだね。




こちらは『朱雀』

南の護りなり。


1300年前のものとは思えない

色鮮やかな壁画の数々が

こちらでは再現されています。


(画像はこちらからお借りしました。)





平日のせいなのか

ほとんど人がいなかったので

ゆっくり堪能できたわたしたち。






天井の天体図は、

先に発見された『高松塚古墳』との比較も目を引く。




北極星、北斗七星、

太陽や月まで描かれているのだとか。




鎌倉時代の盗掘の跡から

石室を臨む。



盗掘によってなのか?

ここの主はわからず終い。


なのだけど、

学芸員の方か

説明の中で重要なヒントをくださった。


『こちらの『キトラ古墳』『高松塚古墳』『藤原宮』『平城京』は、一直線に並んでいるんです。

おそらく、高貴な方の墳墓であるのでは、と。』


へえええええ!

そうなの?


平城京へは候補地の一つだった。

だけと、

藤原宮はノーマークだった。


『藤原宮』ってナニ?


大和三山の描く三角形の中心に存在するのだって!


(画像はお借りしました。)


訪れる候補地のひとつとして、心に止めておきました。



こちらの壁画は

静かに埋め戻されたそう。



渡来人、
気になるなあ。





さてさて、

謎を秘めたまま

こちらを後にして、


いよいよ

天河へ向かいます。


下市口へ戻り、


あの、

異次元トンネルを潜ります。



30年ぶりでございます。


あの時の感覚は

わたしに戻ってくるのだろうか?


あるいは

新たな境地に

天河は誘ってくれるのだろうか?