今日はまたまた

青木ヶ原樹海の当番日。


3回来訪者あり。


最後の回だけ無かったので


くだんの

『西湖コウモリ穴』に潜ってみる。


月の溶岩洞(スカイライト)が発見されたことにより、

JAXAが調査したという、

なんとも意味深い洞穴のひとつ。


JAXAの調査によると

この洞穴が他の100以上ある洞穴と明らかに異なるのは、


『セノ海』によるものだと結論づけたみたい。


セノ海の話をもう一度。


富士山の北西斜面に、

かつて

万葉集にも歌われた

『石花海(セノ海)』なるものが存在した。



9000年前には、

西湖、精進湖、本栖湖

つながっていたけど


富士山の溶岩流により

(一説には3000年前)

本栖湖は分離された。



平安時代当時のセノ海は

こんな感じ。


三代実録

という古文書には、

貞観六年(西暦864年)の噴火により

セノ海は

精進湖と西湖に分断されたとある。


現在の富士五湖は

このように標高も水位も異なるけど

元々セノ海だった三つの湖は

仲良く水位が一緒に増減する。




この図をもう少しわかりやすく示すと、



山中湖と河口湖は別物で、


西湖、精進湖、本栖湖は

青木ヶ原溶岩流によって分断されたことがよくわかる。


さて、

いつもは来訪者を連れているので

あまりここの地形を詳しく感じたことは無かったけど

洞窟へ向かうこの部分は、


大きなツガの木が生えている丘のような膨らみは、



まさに

この下に

溶岩洞穴が存在すること、

今回初めて頭の中で合致した。


西湖コウモリ穴入り口。



これもまた

スカイライト。



入り口を降りて行くと、


セノ海に流れて固化した溶岩の上を

後続の溶岩流が後ろから押し出されて

固化した溶岩の上を流れて行ってしまう様子が

よくみてとれる。



三階建の溶岩洞穴。

こんなところはハワイにも無いのだと。



しかーも!

六本の溶岩チューブが分かれたのちまた連結する。


上の階に登る階段。




有機的なフォルムは
クジラのお腹の中みたい。
(入ったことないけど)



ここから、
さらに
二本の溶岩チューブに分かれる。



中で合流する。


そして、

合流先には、

別の流れの

縄状溶岩のフロアが。



1200年前の

溶岩の流れがそのまま

タイムカプセルのように。




ここから先は
コウモリのサンクチュアリ。



木の扉から

人間は引き返すことになる。



天井は

三角形か、

レンズ状。

(かまぼこ型、というけどそれは日本でないと通用しない。)



地上の明かりが見える。





千年以上も前

ここで何が繰り広げられていたんだろう。


セノ海に

大量の溶岩流が流れ込み、

瞬く間に

湖の水は蒸発したと言うのだけど、


そんなに単純なものではなくて


噴火は4回にわたり、

一年半ほど続いたのだと。


今まさに

生きている地球の息吹きを感じる

アイスランドの噴火。



そして

キラウエア火山の噴火。




富士山と同じハワイ式噴火なので、

イメージしてみる。



マグマオーシャンは

エキセントリックで

エロティック。




かつて

この場所でも、



このような地球の息吹きが

行われていたんだね。


セノ海を感じようとしたけれど、


この日わたしに来たエネルギーは、


迸る地球の鼓動だった。


千年も前の…。