よくビジネス書に書いてある成功の秘訣で
「お客さんの期待を超えること」
というのがあるのですが、これを続けていくとすごく苦しくなるというか、
実際に苦しくなっているのが今の資本主義社会なんじゃないかと思います。
たとえば、iphoneは本当に素晴らしい製品ですが、
スティーブ・ジョブズがiphoneを製作しているとき「これ以上軽くできない」と言った技術者の前で、iphoneを水の中に入れて空気の泡が出ているのを見せて
「まだ軽くなる」
と言った話は有名ですが、そこに精神科医がいたとしたら
「とりあえず完璧主義がヤバいことになってるんで別室でカンセリングしましょうね」
となっていたかもしれません。
これは大げさな話ではなくて、世の中にある優れたサービスは極めて神経質に作られていて、
その理由は「お客さんの期待をひたすら超え続けてきたから」だと思います。
素晴らしいサービスが生まれてもお客さんはすぐそれに慣れてしまいますから、「もっと、もっと」となり
その結果、人間は現代の便利な生活を手に入れたわけですが、
ただ、それは「消費者」としての自分が「楽」になっただけであり、
「生産者(仕事)」になったときに、その分強烈なプレッシャーにさらされることになります。
たとえば、「買ったばかりの電化製品が壊れた」らほとんどの人が激怒することになると思いますが、
あなたが電化製品を売る仕事をしている人だとしたら、激怒される側であり、
逆に、電化製品が壊れても「こういうこともあるか」と許せれば、自分も仕事をするときにそれほど強いプレッシャーを感じずに済むかもしれません。
スティーブ・ジョブズはよく怒る人だったそうですが、それはつまり「ほとんどのことが許せなかった」人でもあり、
かなり強いストレスを感じながら仕事をしていたのだと思います。
それは果たして幸せな人生だと言えるのでしょうか?
私たちは際限なく人を競争に駆り立てる資本主義にストップをかけ、
「それほど良くないサービス」も許容し、多くの人がリラックスできる社会を作るべきなのではないでしょうか?
そんなことを最近考えていたのですが、
昨日入ったインド料理屋で、カレーとナンを注文したところ、店員が
これだけ置いて、去っていきました。
それで(いやいやいや……)と思いながらナンを待ってたんですけど、
3分くらい経っても何も出てこないんですよ。
それで店員を呼んで
「すみません、ナンが来てないんですけど」
と言ったら
あ!
みたいな顔されて、その店員は慌てて厨房の方に行ってインドの言葉で何かしゃべってるんですけど、
確実に、ナンのオーダー通ってなかったんですよね。
それで、さすがにこれはないぞと思って、その店員をもう一度呼んで
「もし、ナンのオーダー通ってなかったら別にライスでも良いんで、すぐ持ってこれるもの持ってきてください」
って言ったんですけど、
「スグ、ナン、クル」
って言うんですよ。
「いや、だからオーダー通ってなかったら大丈夫なんで……」
「スグ、ナン、クル」
「いや……」
「スグ、ナン、クル」
日本語がまったく通じないんですよ。
それで結局、席に戻って、
ひたすらカレーを眺めてたんですけど
さすがに手持ちぶさたなんでスプーンを手に取って、カレーを口に入れてみたんですけど
いや、絶対違うし
って思って
結局、カレーが冷めていくのをひたすら眺めることになったんですけど
結論を言うと
資本主義って最高ですね。
こういう状況をね、笑って許せるようになればリラックスした人生が送れるようになるんだと思うんですけど、
余裕で、無理。
ていうか、
カレー屋でカレーとナン頼んで、ナン忘れるってあり得なくないですか?
あ、あれかな
炭水化物ダイエットしてるって思われたのかな?
いや、だったらカレー屋来んしね。
カレー屋に来てる時点で完全に炭水化物狙いだしね。
ほんで、遅れて出てきたナンをカレーにつけて食べたら
そこそこうまかった
って何だよそれ!
ここまできたらマズくあれよ!
逆に、熱々だったらかなりうまかったんじゃね? とか考えて余計にイラっとするわ!
あと、一番腹立つのが「何だよそれ!」のところで、「何」と「ナン」が掛かってることね。
こっちは怒りを真っ直ぐに伝えたいのに、「何だよ!」のところで、「あ、今、何とナンが……」とか考えて、んああ!ってなるだろがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
……ということで、
前半のくだりは完全に私の気の迷いだったことが分かりましたので
今後も「お客様の期待を超えられる」よう、
毎日、馬車馬のように働いて
神経を病みながら
スーパーストレスフルな人生を歩んでいきたいと思っていますのでよろしくお願い致します。
■ 新刊「神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~」発売しました。
神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~
過去にこのブログで掲載した「宇宙五輪」を含む、7つの物語を収録しています。
個人的には「スパイダー刑事 ~カブトムシ殺虫事件~」が好きです。
イラストも素晴らしいのでぜひご覧ください!
「お客さんの期待を超えること」
というのがあるのですが、これを続けていくとすごく苦しくなるというか、
実際に苦しくなっているのが今の資本主義社会なんじゃないかと思います。
たとえば、iphoneは本当に素晴らしい製品ですが、
スティーブ・ジョブズがiphoneを製作しているとき「これ以上軽くできない」と言った技術者の前で、iphoneを水の中に入れて空気の泡が出ているのを見せて
「まだ軽くなる」
と言った話は有名ですが、そこに精神科医がいたとしたら
「とりあえず完璧主義がヤバいことになってるんで別室でカンセリングしましょうね」
となっていたかもしれません。
これは大げさな話ではなくて、世の中にある優れたサービスは極めて神経質に作られていて、
その理由は「お客さんの期待をひたすら超え続けてきたから」だと思います。
素晴らしいサービスが生まれてもお客さんはすぐそれに慣れてしまいますから、「もっと、もっと」となり
その結果、人間は現代の便利な生活を手に入れたわけですが、
ただ、それは「消費者」としての自分が「楽」になっただけであり、
「生産者(仕事)」になったときに、その分強烈なプレッシャーにさらされることになります。
たとえば、「買ったばかりの電化製品が壊れた」らほとんどの人が激怒することになると思いますが、
あなたが電化製品を売る仕事をしている人だとしたら、激怒される側であり、
逆に、電化製品が壊れても「こういうこともあるか」と許せれば、自分も仕事をするときにそれほど強いプレッシャーを感じずに済むかもしれません。
スティーブ・ジョブズはよく怒る人だったそうですが、それはつまり「ほとんどのことが許せなかった」人でもあり、
かなり強いストレスを感じながら仕事をしていたのだと思います。
それは果たして幸せな人生だと言えるのでしょうか?
私たちは際限なく人を競争に駆り立てる資本主義にストップをかけ、
「それほど良くないサービス」も許容し、多くの人がリラックスできる社会を作るべきなのではないでしょうか?
そんなことを最近考えていたのですが、
昨日入ったインド料理屋で、カレーとナンを注文したところ、店員が
これだけ置いて、去っていきました。
それで(いやいやいや……)と思いながらナンを待ってたんですけど、
3分くらい経っても何も出てこないんですよ。
それで店員を呼んで
「すみません、ナンが来てないんですけど」
と言ったら
あ!
みたいな顔されて、その店員は慌てて厨房の方に行ってインドの言葉で何かしゃべってるんですけど、
確実に、ナンのオーダー通ってなかったんですよね。
それで、さすがにこれはないぞと思って、その店員をもう一度呼んで
「もし、ナンのオーダー通ってなかったら別にライスでも良いんで、すぐ持ってこれるもの持ってきてください」
って言ったんですけど、
「スグ、ナン、クル」
って言うんですよ。
「いや、だからオーダー通ってなかったら大丈夫なんで……」
「スグ、ナン、クル」
「いや……」
「スグ、ナン、クル」
日本語がまったく通じないんですよ。
それで結局、席に戻って、
ひたすらカレーを眺めてたんですけど
さすがに手持ちぶさたなんでスプーンを手に取って、カレーを口に入れてみたんですけど
いや、絶対違うし
って思って
結局、カレーが冷めていくのをひたすら眺めることになったんですけど
結論を言うと
資本主義って最高ですね。
こういう状況をね、笑って許せるようになればリラックスした人生が送れるようになるんだと思うんですけど、
余裕で、無理。
ていうか、
カレー屋でカレーとナン頼んで、ナン忘れるってあり得なくないですか?
あ、あれかな
炭水化物ダイエットしてるって思われたのかな?
いや、だったらカレー屋来んしね。
カレー屋に来てる時点で完全に炭水化物狙いだしね。
ほんで、遅れて出てきたナンをカレーにつけて食べたら
そこそこうまかった
って何だよそれ!
ここまできたらマズくあれよ!
逆に、熱々だったらかなりうまかったんじゃね? とか考えて余計にイラっとするわ!
あと、一番腹立つのが「何だよそれ!」のところで、「何」と「ナン」が掛かってることね。
こっちは怒りを真っ直ぐに伝えたいのに、「何だよ!」のところで、「あ、今、何とナンが……」とか考えて、んああ!ってなるだろがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
……ということで、
前半のくだりは完全に私の気の迷いだったことが分かりましたので
今後も「お客様の期待を超えられる」よう、
毎日、馬車馬のように働いて
神経を病みながら
スーパーストレスフルな人生を歩んでいきたいと思っていますのでよろしくお願い致します。
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神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~
過去にこのブログで掲載した「宇宙五輪」を含む、7つの物語を収録しています。
個人的には「スパイダー刑事 ~カブトムシ殺虫事件~」が好きです。
イラストも素晴らしいのでぜひご覧ください!