生きているとつらいことや苦しいことがたくさんあるわけなんですけど

ほんのたまに、

それはもう神様からの贈り物なんじゃないかと思うくらいの、とんでもない幸運が訪れることがあります。

僕は先日、そんな幸運に出会いました。

そして、すみません、

こんな仰々しい前フリを書いてしまってから言うのもアレなんですけど

以降、相当な下ネタが登場することになるというか、

オール下ネタなので

女性の方はマジでご遠慮いただいた方がいいかもしれません。

それでは始めさせていただきます。


――ところでまだちゃんとした報告はできないのですが、

僕が過去に書いた「LOVE理論」(文庫版は『美女と野獣の野獣になる方法』)の漫画化が進んでいまして

編集者の方と漫画家の方と飲んでいたのですが、

みんな同じ年齢だったのでかなり盛り上がることになり

また、LOVE理論は僕の中でも思い入れの強い本だったので

自宅に戻ってから改めて読み返していたのですが

読まれた方は分かるかもしれませんが

冒頭の部分に水野愛也が「モテ男であるトム・クルーズを倒さねばならない」理由として

「デッドカーム~旋律の航海~」という映画に出ているニコール・キッドマンのベッドシーンで40回以上1人Hした俺は、その、ニコール・キッドマンと40回以上2人Hしてるトム・クルーズを許すことはできない

という主張をするのですが


それを読んでいたところ、ふと


「デッドカームの動画、ウェブサイトにあるんじゃね?」


と思ったんですね。

この本を書いた当時は動画サイトなんてほとんどありませんでしたが

今だったらあの伝説のベッドシーンがネットで見られるのではないかと。

あ、ちなみにそのシーンの内容ですが、

ニコール・キッドマンと善良な夫がクルージングをしている最中に遭難者を助けるんですけどそいつが犯罪者で

夫は海から落とされ船が乗っ取られてしまうのです。

それでニコール・キッドマンはその夫を助けるために、犯罪者を油断させようとして抱かれる、っていうシーンなんですけど

ちなみに僕は普段AVはほとんど見なくて、今だに日活ロマンポルノを見てるという「ストーリーで燃える」タイプなわけで

そんな僕にとって「デットカーム」は食べログの点数で言うと4.8くらいの「おかず」なのですが、

っていうか、今、こうして書きながら思い出し勃起してきてますからね。


で、LOVE理論を読んで久しぶりにそのことを思い出した僕は

動画見れねーかなーと「デッドカーム」でネット検索をかけてみたんです。


そしたらね、


とんでもないことが起きました。


……改めてこんなこと言うのもなんですけど


インターネットってすごいです。


「インターネットってすげーな」


ってパソコン画面に向かってはっきりと口に出していいましたからね。



で、何が起きたかっていうと


僕の目の前に現れたのは


「すごいHシーンのある映画タイトルをどんどん書き込んで行こう」っていう掲示板だったんですよ。


しかも、そこでは


「デッドカーム? はいはい、あのニコールのやつね。あれは基本つーか、前菜みたいなもんでしょ?」


的な空気が漂っており


たとえば



「目の見えない夫の隣で奥さんがHするシーンのある映画を見た記憶があるんですけど、タイトル分かります?」


という質問に対して



「それは『侵乳者』ですね」



っていう回答が速攻でついてたり、


もう、聞いたことがない映画のタイトルが並びまくってるわけです。


これ、僕からしたら全然大げさな表現じゃなくて






石油掘り当てた




みたいなもんですよ。



そっからはもう



ゴールドラッシュならぬ、コピペラッシュで。



僕のマウスがガチのネズミかっていうくらい素早いスピードで動き続けました。



それでどんどん読み進めていったんですけど


この掲示板の中に何度も登場する映画のタイトルが出てきたんですよ。


もうね

「この道に入るならこれ知ってなきゃモグリっしょ」

的な?


「とりあえず、この科目取るならこれ必修っしょ」


的な?


「このパス買わないと乗り物に乗るどころか入園できないよ」


的な?


そんな空気がバンバン出てるんですよ。



ちなみに、その映画のタイトルが



「ヒッチハイク」



だったんですけど



それでとりあえずコピペする手を止めて



そのままアマゾンに乗り込んだわけです。


それはもう


アマゾンに並び立つ樹木のごとく、股間を屹立させた状態で、


です。



そして速攻でヒッチハイクのDVDを見つけたんですけど、

ただ、

8件ついているレビューのほとんどが


★1つなんですよ。


それですごく嫌な予感がして、とりあえずレビューを読んでいったのですが

レビューを書いている人がみんな


「肝心のHシーンが大幅にカットされるじゃねえか! ふざけんなコラァ!」


みたいな感じで、ブチ切れてるんですよ。

それで

「ああ、このDVDはトラップだな」

と気づいたのですが、同時に僕は武者震いが止まりませんでした。


このレビューを書いた男たちはヒッチハイクという映画にエロを期待し、アマゾンから届くのを心待ちにしていたものの
肝心のシーンがカットされていた、そのときの落胆、喪失感、絶句、それらが、やり場のない苛立ちがレビューから噴き出している

そんな彼らのパッションを感じたとき


「ああ、この映画は本物なんだな」


と改めて確認せざるを得なかったのです。


そして、「なんとかしてノーカット版を見ることはできまいか」とレビューを読んでいったのですが

なんと、ヒッチハイクは2009年に新たにノーカット版が発売されているという事実にたどり着いたのです。

そして、僕はヒッチハイク・ノーカット版を求めてアマゾンのジャングルを奥へ奥へと進んでいったのですが……


そこで


ついに、


ヒッチハイク・ノーカット版を発見したのです!





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た、高ぇ!




死ぬほど高ぇ!





が、しかし!


中古品にこの値段がつくということは!


この映画のクオリティが「神」であることの証明っっっっっっ!!!!!!



ただ、


それでも、


29800円は、



ソフトじゃなくてハードの値段っっっっっっっ!!!!!!






――僕は迷いました。




大学三年の進路かってくらい迷いました。




カートに入れ、削除し、そして再びカートに入れ、削除し、を繰り返し――




しかし、最終的に、



僕の過去の経験則から導き出された「水野五大行動理念」の一つ





「迷ったら行け。ただし、買い物の場合は止まれ」




に従い、寸前のところで購入を止めたのでした。



そして、あくる日のことです。


その日は毎週土曜日にユーストリームで放送している「何も生まない会議」があったので、そのときに「ヒッチハイク」の話を社長の山本くんにしました。

そして僕がいかにヒッチハイクに対して熱い思いを抱いているのか、

ヒッチハイクにたどり着くまでの経緯、そして現在、アマゾンの密林で方位磁針を失って遭難していること、


そして、


昨晩、すでにアマゾンの「あらすじ」だけで2回抜いたことを熱く語った上で言いました。









「29800円なんだけど、経費で落ちます?」






そしたら山本くんから


「それ、どういう項目になるの」


と聞かれたので



「研究費、かな?」



と答えると、間髪入れず


「却下」


と言われ、


ただ、そのときちょうどユーストリーム放送中に視聴者の方から書き込みがあり、


TSUTAYAのオンラインにヒッチハイクがあるという情報を受け


「マジか!」


と驚いて放送中にそのままページに飛んだのですが在庫が存在せず、


「期待させんじゃねえ!」


と心の中で視聴者とTSUTAYAに毒づきつつ


そのユーストリーム放送は終了となり


部屋に戻ってきた僕は


「やっぱり、29800円で買うしかないのか……」


と思いながらなんとなくネットサーフィンをしていたのですが、


そのとき、


それは、まさに、神からのギフトとも呼べるようなものが、僕の元へ贈られてきたのでした。



結論を言いますと



「ヒッチハイク・ノーカット版」



はGEOの宅配サービスにありました。



※GEOというのは西日本を中心としたビデオレンタルショップです。




ただ、そこで僕は衝撃を受けることになります。








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こうして僕は速攻でGEOの会員になり、


2日後に届いた「ヒッチハイク」を


ズボンを完全に下ろした状態で再生し


一切の早送りをせずに鑑賞しました。


「ヒッチハイク」の内容、満足度に関してはここではあえて触れずにおきましょう。


ただ、一つ、


過去「ヒッチハイク」で抜いた数多いる人間の中で


「キャンピングカーのシルエットで抜いたのは水野のみ」


という言葉をここに置いておきます。



ただ、僕の感動は、「ヒッチハイク」を借りれたことだけでは留まりませんでした。


実は、「ヒッチハイク」に代表されるような「エロス映画」というのは完全に時代遅れになっており


名作とされている映画はほとんど旧VHSの時代に作られたものばかりで


DVD化されていたとしても入手困難なものが多いのです。


しかし、このGEOの宅配サービスを利用すると、ほぼすべてを手に入れることができ、



こうして僕は、


amazonを超える、GEOという名の密林、いや、蜜林の中で、


今も遭難し続けているのです――。