今から10年くらい前に、どう生きたら幸せなのかをかなり真剣に考えたことがありまして、


その結果


「面白そうな企画を何の制約もつけずに始めて、お金のことを後から考える」


これが理想の生き方なのではないかと思いました。


そしてこの考え方からたくさんの企画が生まれました。








ウケる日記
【バーテンダーお好み焼き屋台】

これは、僕が大学3年のときに思いついた企画なのですが、お好み焼きは具を全部かき混ぜてから作るのを見て、お好み焼きの具をシェーカーに入れてバーテンダーのようにカッコ良く振って、鉄板の上でお好み焼きを焼いたら面白いのではないかと考えたのです。

ただ、「バー」という設定だと分かりづらかったので、「ディスコ」ということにして
焼いているときに「踊る」というパフォーマンスを加え

メニューは


お好み焼き 500円

ドンペリ 20000円


の2つのみで営業しました。


さらにこの企画には裏テーマがあり

それは「やらずに後悔していることは全部やる」でした。

ちなみに、この企画は大学3年のときに思いついたと言いましたが、

当時は文化祭に出店する手続きが面倒でやらなかったのです。

そのことがずっと引っ掛かっていたので28歳のときに「やっぱりあの企画はやるべきなのではないか」と思い立ち

幸運にも、母校の現役大学生と知り合いになったので彼と一緒にこの企画を実行しました。


ちなみに「バーテンダーお好み焼き屋台」は連日人だかりができるほどの大盛況でしたが

お好み焼きを1枚焼くたびにいちいち踊っていたので回転率が異常に悪く


結果的に20万円近くの赤字を叩き出しました。




ウケる日記
【恋愛体育教師・水野愛也】


僕は前々から学校教育に大きな疑問をもっていて、それは同じ意見の人も多いと思いますが

「役に立つことを教えていない」

ということです。

僕は、人間の成長というのは「個人の欲望の先にしか存在しない」と思うので

学問はすべて個人の欲望につながる形で編成し直すべきだと考えているのですが

その第一歩として、「恋愛」という学校教育から一番遠い、しかし人間の欲望に最も直結したものを授業で教えてみようという企画でした。

この企画はLOVE理論(文庫版は「美女と野獣」の野獣になる方法)と「スパルタ恋愛塾」というDVDになりました。



これ以外にも、ファッションリーダーを目指すために持っている服を全部燃やした「ミズノンノ」や
古屋監督と進めた引きこもりミュージシャン・ノリアキやDVDの企画など


「お金になるかならないか分からないけど、とにかく面白そうだからやる」


を大事に生きてきました。


しかし、ここ数年、状況の変化もありこういった企画(当時はこれをプロジェクトと呼んでいました)を立ち上げていなかったのですが




昨日の深夜3時頃に突然


「うわ、これめっちゃやりたいわ。ていうかこれをやらんで俺、今まで何やってたの!?」


というプロジェクトが舞い降りてきましたので始めさせていただくことになりました。


多分、僕のことを知っている周囲の人たちは


今この文章を読みながら


「また例の発作が出たな」


と思っていることでしょうが、お見逃し頂ければと思います。


(山本くんへ。申し訳ありませんが新しい仕事は基本全キャンセルの方向でお願いします)





ところで



今回のプロジェクトは、仮に



「絶賛プロジェクト(仮)」



としておきます。



このプロジェクトは過去にメールマガジンなどでも何度か触れたりしており、何年も前からずっとやりたくて溜まっていた気持ちが噴出してしまっている状況なので


別名「夢精プロジェクト」と呼んでもいいくらいの代物ですが


そもそも事の発端は、


僕が25歳のとき、ゴールデンウィーク中に岐阜県のペンションにアルバイトに行ったことに遡ります。


このとき僕はペンションのレストランでウェイターとして働いていたのですが


突然、客のヤンキーが



「てめえ、ナメてんのか!」



と大声で僕を怒鳴りつけてきたんです。


見るとヤンキーは手に「汚れた割り箸」を持っていました。


これはたぶん、前のお客さんが(丁寧な人だったと思うのですが)

ご飯を食べ終わったあと使った箸を綺麗にまた箸袋に戻したのを

箸を整理してたのは、ムネっていう名前の後輩だったんですけど

ムネがそれを使っていないと勘違いして

新品の箸を入れに戻してしまったようなのです。


ただ、このブログを読んでくださっている皆さんもご存じの通り


水野ホスピタリ也なので


もちろんムネが悪いなんてことは言わず、



「大変申し訳ございませんでした」



と子犬のような目でヤンキーに深々と頭を下げたんです。



我ながら素晴らしい平身低頭ぶりでした。



そしたらそのヤンキーは下がった僕の頭の髪の毛を引っ張り上げてこう言ったのです。




「てめぇ、ナメてんのか!?」




――そうなんです。


いつの時代も「ヤンキー」=「頭がクソ悪い」ので


会話が一向に前に進まないんですよ。


それ以降は




「大変申し訳ありませんでした」


「てめぇ、ナメてんのか!?」


「すぐにお取り換えさせていただきます」


「てめぇ、俺が誰だか分かってんのか!?」


「今後このようなことは絶対起きないように注意致しますので」


「てめぇ、殺すぞ!?」



会話が出口のない迷宮に迷い込み


途中から、マジでコイツやったろかなと思ったわけなんですけど、


ま、僕も中学時代、学内で唯一番長の岡に噛みついた男なんでね。


ただ、


僕が店員である以上、客がどれだけしょうもないやつでも


キレられないわけです。


だから結局


謝り続け、謝り倒して、


そのヤンキーの連れてた彼女が止めに入るまで


ひたすら頭を下げ続けたのでした。


その彼女が「ヤメなよ!」ってキレるくらい、


その男の態度はめちゃくちゃだったわけですが。




で、僕はこの経験を通して思ったのです。



クレーマーって単なる卑怯者なんですよ。


相手が言い返せないから言ってるだけで



「店員と客」という関係性を隠れ蓑にした



「弱い者いじめ」なんですよ。



ただ、僕がこう言うと


「いや、店員でもひどいやつがいるぞ」


と言う人いるんですけど、


僕はどれだけ店員がひどい態度を取っても、客がキレて延々とダメ出ししたらだめだと思います。


なぜなら客の方が立場が強いからです。


立場の強いやつが強く出たら終わりなんですよね。



ところで、こうしたクレーマーが暴走した場合、


この状況に介入できるのは、まったく利害関係のない第3者だけです。


だから僕は、この岐阜での一件以来、


街でクレーマーみつけたら必ず首をツッコむようにしてきました。


店員に対してガンガンに文句言ってる人を見つけたら


「どうされました?」


って声かけて、ウザがられながらもどんどん話を聞いて介入していく。


すると場合によってはクレーマーがあきらめてその場を去るケースもあるわけです。


もちろん文句を言ってくる人もいます。


近所のツタヤで女性店員にクレームつけまくっている男がいたので止めに入ったら

「てめえ、ナイト気取りか?」って髪の毛を掴まれたこともありました。


「結局俺は髪の毛掴まれる運命かい」と思いましたが。



ちなみに山本くんは僕のこの密かな活動をよく知ってるので


「あまり意味ないし危ないからやめた方がいい」


とアドバイスをしてくれるのですが


僕は個人的に、どうしてもこの活動をせずにはいられなかったわけです。




しかし、昨日、



今まで僕がしてきたことよりも



本当にやるべきことは他にあるんじゃないかと思ったのです。



というのも、



僕が今までやってきたことは



クレーマーにクレームをつけている行為なんですよね。




つまり、手段が同じなんです。




報復に報復を重ねても、報復しか生みません。




では、どうすればいいか?



結論からいうと



僕がクレーマーに対して真の意味で復讐を果たすには





● 日本を「称賛の言葉」で満たす





必要があるのではないでしょうか。







たとえばウチの近所のソバ屋にめちゃめちゃ素晴らしい接客をする女性がいます。


でも、その女性に「あなたの接客が素晴らしい」と言う方法が、今のところ見つかっていません。


直接そんなこと言ったら「ナンパか?」って思われます。少なくとも、今の日本にはそのことを自然に口に出せる空気はないと思います。


(だから海外にはチップ制度があるのかもしれませんが)



でも、不思議なことに、ソバ屋の店員にクレームをつけることはできるんです。


水をこぼしたら「ふざけんじゃねえよ」と言うことはできるし、


実際にそう言う人もいるでしょう。



これっておかしくないですか?


いや「こっちはお金を払ってるんだから」と言う人がいるかもしれませんが


その素晴らしい店員が時給で働いていたとしたら、その素晴らしさをお客さんが直接評価してあげるべきではないでしょうか。


そして僕がここで問題にしたいのは、そういう素晴らしい店員に出会ったとき、実は多くの人が「この人素晴らしいな」と思っていることなのです。

過去に、僕が街でクレーマーを止めようとしたとき、次から次へと新たな協力者がやってきてくれることがありました。

震災のときも、非常に多くの人が困っている人を助けたという話を聞きました。


これは僕もすごく実感していることなのですが


世の中の人というのは、多くの人が思っているより「イイ人」なのです。


だから、素晴らしい人に接したとき「この人素晴らしいな」と思っている。


ただ、そのことを口に出すのが照れ臭いのです。そういう称賛の言葉を口にすることができない「空気」があるのです。


そこで、たとえば「伝説の接客」という名前のサイトを立ち上げて


「こんな素晴らしい接客を受けた」「こんな感動的なことがあった」という投稿を受け付け


そのサイトが素晴らしい接客をしてくれた人に感謝状を代筆してもいいかもしれませんし、


この前、たまたまアシスタントの浜と


「過去に出会ったとてつもない接客をする人を自慢して戦う」


という遊びをやったのですが


たとえば「外苑前の蟹屋で『お金を出した瞬間お釣りを出して来た』店員に出会った」と僕が自慢したら浜が「新宿の立ち食い寿司で寿司の皿を神懸かり的に早く数えた店員がいた」と自慢してきて


どっちがすごい店員かをもう一人に決めてもらうという内容なのですが


このバトルをウェブサイト上で展開してもいいかもしれません。(あくまでジャストアイデアですが)



あと、昔ツイッターでも書きましたけど


僕が特に気になっているのは「政治家」です。


「政治家のことは悪く言っていい」という空気が日本を支配していて


著名人でも、聡明な人でも、政治家のことを悪く言います。



でも、悪く言われて伸びる人なんていないんです。



人間というのは、素晴らしいとホメられて、伸びるはずなんです。


ということは、今の日本の政治家の人たちに(仮に)多くの人が言うように問題があるのだとしても、


必ず称賛すべき部分は存在するのですから


そういった称賛の声を引き出すような仕組みを作りたいと思います。



あと、話は変わるんですけど、


昔、雑誌で読んでめちゃくちゃ感動したんですけど


配管工事界にとんでもないカリスマがいるみたいなんですよ。


配管工事っていうのはいわゆる3Kの仕事と言われていて、


そのカリスマも十分そのことを理解していて


その上でたくさんの部下を率いているのですが


彼らの仕事が終わるのがいつも早朝で


道路の下にずっと潜っていて外に出ると


街がいつもとおり動いているのを見て


充実感を覚えるのだそうです。


この記事を読んですごく感動したんですけど、同時にこうも思ったんです。




「もっといるぞ」



と。


いわゆる3Kのように分かりやすいつらい仕事は記事になる。


でも、事務の仕事はどうか、公務員はどうか。


社会が機能するためにすごく大事な職場ですごく頑張っているけど


そのことを誰も知らないような仕事や人が


日本にはたくさんあるのではないか?


そしてその人たちにちゃんと称賛の声が届いていないのではないか?


もし、今の日本を覆っている社会の空気、もしくは他人を称賛しないという日本の文化がそれを阻止しているのだとしたら


変えるべきだと思います。というより、僕は、極めて個人的な理由から、それを変えたいと思うのです。



まだ具体的にどうやって動いていくかは決まっていないのですが


今日からどんどん進めていきたいと思います。


もし何かアドバイスを頂けたりご協力して頂ける方は


このプロジェクト用にメールアカウントを作りましたので


気軽にメールをください。


※メール受付は終了させていただきました。多数のメールありがとうございました。


今の日本を覆っている「批判」の空気を「絶賛」で飲みこんでやりましょう。